顕微鏡根管治療広島
2024.6.15
金属のセットされていた左上第一大臼歯の再根管治療を行いました。2024.06.15
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治です。
左上第一大臼歯(〇印)の金属を除去して再根管治療を行います。
根管充填材の幅が広いため、若年時に神経を取る処置(=抜髄)を受けられたと考えられます。
歯の神経(=歯髄)が入っている歯髄腔は加齢とともに狭くなっていきます。
つまり、加齢とともに根管治療は難易度が上がると言えます。
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矢印の歯が左上第一大臼歯です。
メタルクラウン(金属のかぶせもの=金属冠)がセットされています。
金属を除去しますのでラバーダムを装着して金属切削片から口腔粘膜を保護します。
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顕微鏡を降ろし、ビデオ録画を開始してスタートします。
5倍速コントラで切れ目を入れて除去しました。
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金属冠の内面は漏洩を示唆しており、汚染されています。
内面のそれぞれの辺に突起があり、凹凸による嵌合が意図されていたと考えられます。
これをコップに入れて水を飲むことは出来ません。
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金属冠の除去直後の支台歯の状態です。
白い付着物はセメントです。
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セメントを除去しました。
内部にはメタルコア(金属支柱)が存在しています。
近心・遠心・頬側・口蓋側の4面に保持溝が形成されており、凹凸による維持力の増加が図られています。
過去にはこのような維持形態が設定されていましたが、セット時の浮きや適合不良の原因となるため
レジンセメントの性能が向上した現在では、ほぼ用いられません。
健全歯質も失われてしまいます。
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メタルコアも慎重に取り除きました。
内部には白いセメントと、その向こうに根管充填材であるガッタパーチャがオレンジ色に見えています。
やはり歯髄腔がかなり広い状態です。
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メタルコアの内面もこのように汚染されています。
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ガッタパーチャを取り除き、歯根の先端までそれぞれ攻略できました。
電気的根管長測定を行っている場面です。
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薬液洗浄後に超音波水流でリンスし、滅菌ペーパーポイントで吸水乾燥します。
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サーマフィルのシステムで垂直加圧根管充填しました。
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余分なキャリアーをカットしました。
ダメージの大きい歯ですが、次回支台築造とセラミックワンデイ修復を行います。
支台築造の際に、う蝕検知液を用いて軟化象牙質(=むし歯)を染色して切削します。
接着直前に新鮮面を出して接着します。
この歯のここまでの治療回数は2回ですので、次回の3回目で完成です。
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根管充填後のデンタルレントゲン写真です。
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M・Sさん、この歯は次回で完成ですね。
後で少し痛みが出るかもしれませんのでお大事に。
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス