顕微鏡根管治療広島
2024.7.11
根管内に折れて残っていたヤスリのカケラを取り出しました。2024.07.11|ファイル破折|根管内異物除去
広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治 です。
右上第一小臼歯(白矢印)の金属除去と再根管治療を行います。(デンタルレントゲン写真)
赤矢印部分に根管治療用のファイル(やすり)が折れて残っていると考えます。
根管充填材であるガッタパーチャよりも、くっきりはっきり白く棒状に写っている部分がヤスリです(赤矢印)。
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歯科用CTによる断面像です。
頬側根管と口蓋根管の2根管ありますが、口蓋根管の赤矢印部分にヤスリのカケラが折れて残っていると思われます。
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実際の左上第一小臼歯(矢印)です。
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まずは金属インレーを取り除きました。
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セメント内部には周囲からの漏洩がありました。
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全てのセメントを取り除きました。
根管充填材であるガッタパーチャ(天然ゴムの一種)がオレンジ色に見えています。
写真下側がヤスリが折れて残っていると考えられる口蓋根管です。
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ある程度ガッタパーチャを取り除きました。
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矢印部分に折れて残っているヤスリの断面が見えています。
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別アングルです。
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まずは超音波スケーラーのチップをアプローチ出来るように加工します。
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加工した超音波スケーラーチップを、ヤスリの周囲から当てて振動させます。
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振動によって、根管壁に食いこんで折れているヤスリを逆回転させるように働きかけます。
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曲がって食いこんで折れているため、ゆるんでも根管壁に引っ掛かってなかなか出て来てくれません。
かなりの強敵でしたが、無事に取る事が出来ました。
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数十年ぶりに出てきたヤスリのかけらです。(リーマーのかけら)
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全長4.5㎜程度のヤスリが残ったままになっていました。
<原因と対処法>
1,太いヤスリを許容度以上の力で回すことで食いこんで折れます。
→必要最小限の漏斗状拡大を行い、無理なサイズのヤスリを用いず、慎重な力で治療します。
2,使い古し、金属疲労を起こしたヤスリであれば折れる可能性が高まります。
→毎回新品のファイルを用いて使い捨てとします。
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折れて残っていたことも知らなかった・知らされていなかったとのことです。
このサイズのヤスリが折れているとすれば、術者が治療中に気づかない可能性は低いです。
折るのは一瞬ですが、取るのには大変な時間がかかります。
それに伴い費用も掛かります。
折れたヤスリは絶対に取れるとは言えませんが、あらゆる手段を駆使して臨み、可能な限り諦めたくありません。
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H・Kさん、無事に取れて私もとても嬉しいです。
呉市からのお越しに恐縮です。
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス