顕微鏡根管治療広島
2023.12.16
左下奥歯の歯の神経の治療のやりなおし 2023.12.16|再根管治療
左下第二大臼歯(矢印)に痛み・違和感を感じておられます。
過去に根管治療がなされている歯ですので、再根管治療を行うことで症状が改善することを期待します。
まずは現在セットされているジルコニアクラウン(矢印)を除去します。
ジルコニアクラウンをカットして除去しました。
境い目から内部にプラークがぎっしり存在しています。
ジルコニアクラウンを除去した直後の状態です。
歯の内部の白い部分はレジンによる支台築造です。
ラバーダムを外しましたら周囲の歯肉に炎症像が見られます。
支台築造を除去して再根管治療を行います。
現在充填されているガッタパーチャ(天然ゴムの一種:根管充填材)を除去して再根管治療を行います。
遠心根管の電気的根管長測定を行なっている場面です。(#40)
同じく近心根管の電気的根管長測定を行なっている場面です。(#60)
この左下第二大臼歯は近心根管・遠心根管の2根管性の下顎第二大臼歯でした。
一般的には近心根の根管が頬側・舌側に分かれ、遠心根管を加え3根管性であることが多いです。
再根管治療を行うことで症状に改善が見られ、排膿や出血も治ったことから、本日垂直加圧根管充填を行います。
2種類の薬液洗浄後に超音波水流でリンスし、滅菌ペーパーポイントで吸水乾燥します。
シーラーを根管口に置いたあと、サーマフィルによる垂直加圧根管充填を行います。
まずは遠心根管(#40)です。
続いて近心根管(#60)です。
サーマフィルによる垂直加圧根管充填を終えました。
サーマフィルはポリスルホン樹脂のキャリア(黒い軸の部分)の周囲にガッタパーチャ(天然ゴムの一種)を巻きつけた根管充填材料です。
専用のヒーターで温めて、ガッタパーチャが溶けた状態で根管内に充填します。
そうすることで側枝を含めた根管内に行き渡らせることが出来ます。
刃のついていない球体が先端についたバーであるサーマカットを回転させ、
発生する摩擦熱によってサーマフィルのキャリアー(黒い軸の部分)のポリスルホン樹脂をカットします。
サーマフィルのキャリアーのカットを終えました。
サーマフィルによる垂直加圧根管充填を終えたあとのデンタルX線写真です。
歯根の先端(根尖)まで充填できて安堵する瞬間です。
私は、根尖まで根管充填材料が到達しているかどうか、第三者が見ても明らかであることが重要と考えていますので
根尖外にシーラー及びガッタパーチャが出ていることを是としています。
「見方によっては到達しているような、到達していないような」状態では、不要な再根管治療を行う原因となってしまいます。
T・Yさん、症状が改善して私も安堵しています。
あとで少し痛みが出るかもしれませんのでお大事に。
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス