顕微鏡根管治療広島
2024.3.28
右上第一小臼歯のメタルコアを除去して再根管治療を行いました。2024.03.28|メタルタトゥー
右上第一小臼歯のかぶせものとメタルコア(金属支柱)を除去して再根管治療を行います。(矢印)
根尖(こんせん:歯根の先端)まで根管充填材が入っていない状態です。
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矢印の歯が右上第一小臼歯です。
レジン系材料(プラスチック系材料)のかぶせものがセットされており、近心側の一部が欠けています。
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かぶせもの内部に存在するメタルコアを、口腔内でドリルで切削した際に出た金属切削粉末が、
切削時に傷つけられた歯肉に迷入したメタルタトゥー(金属刺青)が存在しています。(矢印)
今後、取り除き正常な歯肉に戻ってもらいます。
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ラバーダムを装着して、顕微鏡(マイクロスコープ)を降ろし、ビデオ録画を開始して、いよいよ除去を開始します。
術野の確保と、金属切削片を口腔粘膜に出来るだけ触れさせないためです。
金属切削片が口腔粘膜と触れると金属アレルギーを惹起する可能性があります。
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まずはレジンクラウン(レジンのかぶせもの)を除去しました。内部のメタルコアが見えています。
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除去したレジンクラウンの内面です。良好な接着状態では無く、内部への唾液の漏洩があったことが判ります。
唾液の漏洩ということはバクテリアの漏洩と同義語です。
バクテリアは、むし歯・歯周病・口臭の原因です。
加えて、レジンクラウンは天然歯よりも早くすり減ってしまうことも問題です。
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レジンクラウンは細菌付着性が高いため、隣接歯の むし歯リスクを高めます。(矢印)
レジン系材料は口腔内に出来るだけ増やさないことが重要です。
結果として高くつく治療の代表と私は考えます。(個人の感想です)
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ここからは慎重に切削してメタルコアを除去します。
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無事にメタルコアが取れたあとの根管内部です。
ゴム状の青いプラスチックを用いて金属切削片が歯肉に触れることを防いでいます。
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顕微鏡ミラー像の画面撮りです。
頬側と口蓋側の2根管あり、メタルコアは口蓋根管に主に入っていました。
頬側根管にピンク色に見えるのは根管充填材であるガッタパーチャ(天然ゴムの一種)です。
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除去したメタルコアです。根管内部に入っていた部分だけでも約7mmあります。
表面にはセメントがついており、汚染されています。
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この歯から本日除去した人工物です。
同じものを改めて製作してセットすることは私には出来ません。
自分ならされたくなく、家族にも出来ない、理由はこれに尽きます。
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古いガッタパーチャを取り除き、歯根の先端(根尖:こんせん)まで攻略出来ました。
電気的根管長測定(EMR)を行い、根尖までの到達を確認している場面です。
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薬液洗浄後に超音波水流でリンスし、ペーパーポイントで頬側根管・口蓋根管を吸水乾燥します。
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シーラーとサーマフィルのシステムで垂直加圧根管充填しました。
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垂直加圧根管充填後のデンタルレントゲン写真です。
根尖まで根管充填出来て安堵する瞬間です。
次回、支台築造とセラミッククラウンの製作セット、メタルタトゥーの除去までを1回で行い、完成です。
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S・Yさん、次回いよいよ完成ですね。
少し痛みが出るかもしれませんのでお大事に。
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス