顕微鏡根管治療広島
2025.2.27
右下第二大臼歯の金属を除去し再根管治療を行いました。2025.02.27|根尖病変
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治です。
画像左端:右下第二大臼歯に金属冠(メタルクラウン)がセットされています。
メタルクラウンとメタルコアを除去して再根管治療を行います。
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デンタルレントゲン写真です。
メタルクラウンを外すと内部にはメタルコア(金属支柱)がセットされていると考えられます。
遠心根の先端(矢印)にはドーム状に病変(根尖病変)が形成されています。
根尖病変(こんせんびょうへん)とは、歯根の先端に出来る炎症性病変のことです。
原因として、むし歯や歯根の亀裂による歯髄(いわゆる歯の神経)の細菌感染が挙げられます。
感染によって歯髄が死んでしまい、腐敗することで炎症が起こります。
治療方法として、感染根管治療を行います。
初回の感染根管治療時において、感染・腐敗した歯髄が残ったままになってしまうと、
後年に病変が形成され、再根管治療が必要になってしまいます。
感染して腐敗した歯髄を取り除き、消毒を行い、根管充填材を緊密に充填することで改善が期待できます。
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金属除去ですのでラバーダムを装着して金属切削片から口腔粘膜を保護します。
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無事にメタルクラウンを除去しました。
メタルクラウン側に突起(オス)、メタルコア側に窪み(メス:保持孔)が形成され、
嵌りこむことで脱離に対する維持力を増してありますが、
脱離はしなくても周囲からの漏洩が起こり汚染されています。
問題の発見がしにくく、手遅れになりやすいと言えます。
なにか起こったら取れてくれる方がありがたいと考えます。
取れる歯科医=下手と考えると、巡り巡って最終的に患者さんが損をします。
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除去したメタルクラウンの内面です。へそ状に突起があります。
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続いてメタルコアを分割して除去していきます。歯に負担を掛けないためです。
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非常に深い大きなメタルコアでしたが無事に除去を終えました。
根管充填材であるガッタパーチャがオレンジ色に透けて見えています。
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本日1本の歯から取り除いた金属群です。さながら遺跡の出土品のようです。
「せっかく入れたのに取り除いて残念だ、また早く歯に入れたい」の正反対の気持ちを抱きます。
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ここからは古いガッタパーチャを取り除き、3根管を未攻略の根管も含めて根尖まで攻略していきます。
ガッタパーチャとは、天然ゴムの一種で、生体に害がなく、根管充填材として古くから用いられている材料です。
画像は、根尖までファイル(ヤスリ)の到達しているかどうか、電気的根管長測定(EMR)を行っている場面です。
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特に目立った症状・排膿はなかったため、再根管治療2回目で根管充填まで進みます。
画像は、薬液洗浄後に超音波水流でリンスし、滅菌ペーパーポイントで根尖まで吸水乾燥している場面です。
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サーマフィルのシステムで垂直加圧根管充填を行いました。
3根管を3本のサーマフィルで充填しています。
充填時に邪魔となる持ち手部分(キャリアー)を1本は先にカットしています。
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サーマカットで余分なキャリアーをカットしました。
次回問題なければ、支台築造とセラミッククラウンの製作・セットまで行いますので計4回で終了です。
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垂直加圧根管充填後のデンタルレントゲン写真です。
根尖まで根管充填出来て安堵する瞬間です。
T・Tさん、次回でいよいよこの歯も完成ですね。
すべてはご決断の賜物です。
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス