セラミック歯科広島
2023.4.21
黒い歯ぐきがピンクになる?|メタルタトゥーも除去して膿の出ていた右下第一大臼歯の治療の完成です。2023.04.21|広島
「右下第一大臼歯の根管からの膿の原因、症状、治療法について。2023.03.22」
「ドクドク膿が出ていた右下第一大臼歯の根管充填を行いました。2023.04.13」
上記の症例ブログ記事に書きました右下第一大臼歯の治療がいよいよ完成です。
メタルタトゥーとは過去の治療時にドリルで削った金属切削片が歯ぐき(歯肉)内に入り込んで黒くなった金属刺青です。
歯科治療を受けたことによって発生した状態ですので医源病であり、広義の医療ミスとも言えます。
メタルタトゥーを起こさないために、金属を用いないこと、金属を切削する際にラバーダムを装着して粘膜を保護することなどが考えられます。
審美的に美しくないことに加え、金属粒子が体内に入り込んでいることから、
本当の意味でのメタルフリーを目指す上で取り除きたい存在です。
弊オフィスではタイミングを見計らって取り除き、ピンク色の歯ぐきに戻ってもらいたいと考えています。
前回の治療の最後にメタルタトゥーを除去しました。
本日の治療時です。歯肉が治癒してピンク色に戻っています。
同じく舌側のメタルタトゥー除去前の状態です。こちらの方が帯状に広く存在しています。
メタルタトゥーを取り除きました。
本日の状態です。
歯肉の再生能力には本当に驚かされます。
※原則として臼歯1本の治療時には仮歯をセットしないようにしています。
治療中の歯に過剰な力が掛からないように安静を図り、患者さんにも治療中であることを認識してもらうためです。
社会審美的に問題が出る前歯の場合や多数の臼歯を治療する際には、問題のないように対処をします。
バキュームのアダプターを用いて絶えず吸引することで口腔内の唾液と水蒸気をコントロール(防湿)し、
顕微鏡下でファイバーポストを2本用いて直接法で支台築造しました。(ファイバーコア)
歯科治療において唾液・水蒸気は接着不良を招くため大敵です。
支台歯形成(きちんと被さる形状にすること)しました。
セレックプライムスキャンでスキャニングし、セラミック修復物をデザインします。
※プライムスキャンはパウダーを吹きかけずスキャニング出来ますが、パウダーをかけた方が早くスキャニング出来ます。
早くスキャニングできるということは、データのノイズが減る事に繋がりますので適合性に良い影響を与えます。
パウダーを吹きかけるとパウダー誤差が発生しますが、
パウダーによる誤差と、何度もスキャンすることによるノイズの誤差を比較すると、
デジタル歯科治療を10年以上行った経験上、ノイズの方が不適合をもたらします。
プライムスキャンは出来るだけイージーにスキャンできるようになっていますが
「使える」ではなく「使いこなす」ためにはいろいろなコツが必要です。
二ケイ酸リチウムガラスセラミックであるe.max®ブロックを用います。
削り出し(グラインディング)を終えました。
口腔内で適合の接触圧の調整(コンタクト調整)と適合を確認します。
白いパウダーはスキャニング用のスプレーです。
研磨後に840℃で約20分間真空焼成します。
焼成することで歯冠色になり強度も増します。
乾燥状態で接着し、咬合調整と仕上げ研磨を終えました。
症状のあった右下第一大臼歯の治療が一段落ついたことから、他の歯の治療に今後進みます。
初診時に頬側にあった膿の出口(フィステル)は消失しました。
今後、金属の除去および親知らずの抜歯も行う予定です。
K・Sさん、山口県防府市からのお越しに恐縮です。
ついにこの歯の治療が完成ですね。
今後の治療も楽しみです!
広島市南区の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス