セラミック歯科広島
2023.7.22
削らないのが良い治療?|金属を除去したらヒビ・亀裂 2023.07.22
右下第一大臼歯(矢印)の金属を除去してセラミック修復を行います。
金属除去ですので、ラバーダムを装着して金属切削片から口腔粘膜を保護します。
金属アレルギーやメタルタトゥーの原因となり得るからです。
早速金属を除去しました。
除去した金属の内面です。
遠心側(奥側)には、このように亀裂・ヒビ・クラックが入っていました。
内側性の金属の詰め物ですと、咬合圧によって歯にクサビを打ち込むのと同じこととなり、
歯に亀裂を生じさせます。
亀裂が大きくなれば、歯牙破折・歯根破折を引き起こし、長持ちが期待出来なくなります。
これ以上亀裂を拡げないために、咬合面を「かしめる」ようにセラミックで被せものを製作してセットします。
う蝕検知液で染色し、切削と染色を繰り返します。
う蝕検知液に染まる軟化象牙質の除去を終えました。
黒く見えていても、う蝕検知液で染まらない部分は過剰な切削を避けます。
接着処理を行い、ボンディング材とコンポジットレジンでデンティンシール(象牙質保護)を行います。
咬んでもヒビが拡がらないようにかしめるため、周囲にベベルを形成して、上部のみかぶせるような形態にします。
もし仮に、現状と同じような形状で仕上げようとすれば、歯の亀裂によって、内部の神経(歯髄)が死んだり、
破折によって抜歯が不可避となってしまうことが考えられます。
とにかく天然歯を残す・削らない治療を優先するとすれば、この歯の寿命が却って短くなるものと感じます。
歯が悪くなって喜ぶのは歯医者だけです。
自分の子どもに出来ない治療は患者さんにもいたしません。
セレックプライムスキャンでスキャングして迅速にデザインします。
強度に優れたe.maxブロックから削り出します。
焼成前は紫色をしています。
口腔内で適合をチェックします。
上部はセラミック・下部は天然歯が見えています。
研磨後、840℃で約20分間焼成します。
乾燥状態にて、焼成出来たe.maxクラウンをセットしました。
事前にかぶせもの(クラウン)内面はフッ酸処理をして接着強度を高めています。
K・H、今まで気になっておられた右奥歯の違和感が無くなると良いですね。
島根県浜田市からのお越しに恐縮です。
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス