セラミック歯科広島
2024.3.12
古いレジン充填内部には むし歯が残っていました。2024.03.12|なんだかおかしい奥歯
左上第一大臼歯(矢印)の咬合面には大きなコンポジットレジン充填(プラスチック充填)がなされています。
違和感があるとのことですので、除去して内部の確認後にセラミック修復を行います。
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オフィス内の歯科用CTによる頬舌的断面図です。
神経(歯髄)の入っている歯髄腔の近くに、軟化象牙質(=むし歯)が存在していることが判ります。
軟化象牙質は細菌感染していますので、違和感が出ることも有り得ます。(出ないこともあります。)
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局所麻酔を行い、ラバーダムを装着し、顕微鏡を下ろし、ビデオ録画を開始して治療スタートです。
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コンポジットレジンは天然歯よりも、すり減るスピードが速いため、
咬合面に大きな面積で用いると、その部分が徐々に凹んでしまい、上下の咬み合わせの不調を引き起こすことがあります。
具体的には下顎の側方運動・前方運動時にガイド(干渉)が強くなることが挙げられます。
裂溝を埋める程度の小さい使用であれば問題無いと考えますが、臼歯咬合面の大きなコンポジットレジン修復は問題があると私は考えます。
見た目の白いコンポジットレジン製のクラウン(レジンクラウン)やインレーでも同じです。
近年では「ダイレクトボンディング」の名のもとに大きなコンポジットレジン充填が行われることがありますが、
私は完全に否定的です。
コンポジットレジンはすり減りに加え、細菌付着性が天然歯よりも高いため、二次う蝕の原因に成り得ます。
むし歯になった歯を治すのに、歯よりも細菌付着性が高い材料を用いるのは合理的とはいえません。
試しにプラーク染め出し液で染めてみれば、だれでも即座に判ります。
よってコンポジットレジンは歯の表面に出来るだけ露出・存在していない方が良いと考えます。
弊オフィスにも「レジンまみれ」の患者さんが多くお越しであり、このお話をしています。
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古いコンポジットレジンを切削し、う蝕検知液で染色しました。
歯科用CTのレントゲン画像通りに内部は染まりますので、むし歯が残っていたと言えます。
う蝕検知液での染色と切削を繰り返します。
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染まる部分の切削を終えました。茶色いから削るということではありません。
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接着処理を行い、コンポジットレジンを薄く流し、光照射して硬化させデンティンシール(象牙質保護)を終えました。
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セレックプライムスキャンでスキャンします。
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セラミック修復物のデザインを行います。
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セラミックブロックから削り出します。
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セラミックブロックからの削り出しを終えました。
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適合の確認を行います。
想定通りのフィットでしたので、研磨して接着します。
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研磨と酸処理を終えたセラミック修復物を、バキュームのアダプターで乾燥状態にしてレジンセメントを用いて接着します。
光照射してレジンセメントを硬化させている場面です。
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咬合調整とダイヤモンドペーストによる仕上げ研磨を終えました。
同じ理屈で次回は画像右端の咬合面のレジンが凹んでいる左上第二大臼歯のセラミック修復を行います。
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K・Mさん、この歯の違和感が無くなることを祈っています。
次回の治療も楽しみです。
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス