セラミック歯科広島
2023.11.30
神経ギリギリの大きなむし歯|神経取らずにセラミック治療しました。2023.11.30
右上第二小臼歯の遠心隣接面(矢印部分)がむし歯になっています。
ただし外見からは、ほぼ判らない発見困難なむし歯といえます。
デンタルレントゲン写真です。
丸で囲った部分がむし歯です。
オフィス内の歯科用CTによる断層画像ですと、よりはっきり判ります。
かなり神経(歯髄)に近い、重度のむし歯と言えます。
水平断です。
幸運なことにまだ自発痛は出ていませんので、歯髄が二次象牙質を作りながら内部に逃げてくれている状態です。
このようなケースこそ、セレックによるセラミック ワンデイ治療(一日修復治療)が最も威力を発揮します。
あらかじめセレックでスキャニングして元の形態のデータを残しておき、セラミック修復物のデザインに使用します。
ラバーダムを装着して顕微鏡を降ろし、ビデオ録画を開始して治療の開始です。
まずは確実にむし歯である部分からアプローチします。
ドリルがエナメル質を通過すると、むし歯による内部の空洞にスポっと入りました。
試しに う蝕検知液を流し込んで、しぶきで流します。
当然ですが、赤く染まります。
ここからは慎重にむし歯(軟化象牙質)部分を切削していきます。
広くし過ぎず、とはいえ軟化象牙質を取り残す事の無いように慎重に進めます。
隣接面のむし歯になっていた穴の部分です。
ある程度拡げたら、金属製のサジ状の器具であるエキスカベータで軟化象牙質を取っていきます。
歯髄に近い部分は、歯髄腔にブスっと入ってしまうといけませんので力の加減をしながら行います。
う蝕検知液で染めてからエキスカベータをかけている場面です。
出てくるものは食べかすではなく、かつて健全であった象牙質が、むし歯菌の出す酸によって溶かされ
軟化したもの=軟化象牙質=むし歯 はエキスカベータで取ることが出来ます。
健全象牙質はエキスカベータでは削れません。
エキスカベータである程度進めましたら、う蝕検知液で改めて染めます。
ここからは慎重に5倍速コントラで切削します。
ドリルは常に新品を使います。
切れ味が悪くなると発熱したり、押しつけ圧力を強くする必要がありますので
1本の歯の治療でも同じ形状のドリルを数本使うこともあります。
コスト削減は全く考えません。自分ならそうされたいからです。
軟化象牙質の切削を終えました。
露髄(神経=歯髄が出ること)せずに済みました。
顕微鏡下で行うことで露髄の有無の確認が、肉眼で行うよりも正確に出来ます。
軟化象牙質の除去を終えた象牙質表面をすぐさまボンディング材でコーティグします。(デンティンシール)
健全象牙質を唾液に触れさせないためです。
デンティンシールを終えました。
セレックプライムスキャンでスキャニングし、切削前の天然歯データと合成してセラミック修復物をデザインします。
セラミックブロックからセラミック修復物をミリング(削り出し)しました。
接着前に適合と接触圧を調整・確認します。
研磨して酸処理を行ったあと、乾燥状態でたっぷりのレジンセメントで接着し、咬合調整と仕上げ研磨を終えました。
I・Sさん、この歯の神経が助かって私も嬉しいです!
すべてはご決断の賜物です!
広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス