セラミック歯科広島
2023.11.25
重度のむし歯こそセレックでセラミック即日修復を。2023.11.25|審美歯科治療|広島
右上側切歯、犬歯、第一小臼歯が重度のむし歯になっています。
原則として、どんなに重度のむし歯であっても
自発痛が無く、神経が生きている状態(生活歯)でしたら
神経を取らずに生活歯のままで治療を完了出来るようにします。
(いわゆる便宜抜髄は致しません。)
※自発痛が無い場合でも、すでに神経が死んでしまって痛くないという状態であれば根管治療が必要です。
今回、幸いなことに生活歯である確証の得られる状態でしたので生活歯のままセラミック修復を行います。
まずは右上側切歯(右上2)です。
隣接している右上中切歯遠心部分にも古いコンポジットレジン充填がありますので、同時にやり直します。
顕微鏡下で録画しながら、う蝕検知液で染めては切削を繰り返し、健全歯質のみになりました。
セレック(CEREC)でスキャン・デザインし、即日セラミック修復を行います。
治療前の状態をスキャニングしておき、天然歯の形態をコピーして、形態の参考にします。
このケースでは将来的に矯正治療も視野に入っているため、セラミック修復時に歯の向き・形態を変えることは行いません。
(修復時に、向き・形態を整えることで歯並びを改善する、俗にいうセラミック矯正はこのケースでは行いません)
セラミックブロックから削り出します。
オフィス内のミリングマシンで、迅速に製作しました。(つまり外注ではありません)
まずは右上側切歯の一日治療(ワンデイ治療・即日修復治療)が終わりました。
前回に引き続き、右上犬歯の治療を行います(画像右側)
前回同様、う蝕検知液で染色と切削を繰り返し、健全歯質のみとなりました。
茶色く見える部分も、う蝕検知液での染色(-)の状態です。
健全象牙質をコーティング前に出来るだけ唾液に触れさせたくないため、
支台歯形成(修復のために形作ること)の際には原則としてうがいは禁物です。
唾液には細菌が大量に含まれています。
コーティング前にどうしてもうがいをしたい状況となってしまったら、
改めて表面を撫でるように切削して、「かんながけ」しますが、象牙質が目減りするためできるだけそうしたくありません。
神経が出ているかもしれない深刻なむし歯の場合は、切削後にうがいした時点で神経が後に死ぬ可能性があります。
弊オフィスでは常に滅菌したハンドピース、新品ドリルで象牙質を切削しています。
中胚葉由来である象牙質は非常にデリケートであり、治療を清潔にしすぎるということはありません。
コストや手間を理由に、妥協することはありません。
その分、単純に治療費に反映しています。(自分ならそうされたいので)
制度を言い訳にして、不本意な治療を垂れ流す選択肢は弊オフィスにはありません。
同じく元データを参考にセレックでデザインします。
ミリングを終えました。
右上犬歯のセラミック修復も終わりました。
続いて右上第一小臼歯の治療を行います。
電気歯髄診断器を用いて歯髄が生きていることを確認します。
弱い電圧から数値とともに徐々に電圧が上がっていき、
歯に感覚を感じた時点で導子を離すと、その時点での数値が表示されたままになります。
電気を用いますが、痛くはありません。遠くで感じるような印象です。
失活歯(神経が死んでいる歯)の場合は、数値が最大値80までカウントアップしても知覚が出ません。
生活歯(神経が生きている歯)である確証が得られましたので、
局所麻酔後に う蝕検知液を用いながら軟化象牙質を除去していきます。
う蝕検知液で染色と切削を繰り返し、軟化象牙質の除去を終えました。
かなり神経(歯髄)に近いむし歯の状態でしたが、神経が出ること(露髄)なくセーフでした。
このあとすぐにセラミックをセットすることが重要です。
食事を挟んだり、日にちを挟んでは汚染させるだけです。
セレックプライムスキャンでスキャニングします。
セレックでデザインします。
グラデーションブロックから削り出します。
研磨し、接着面を酸処理します。
乾燥状態での接着を終えました。
画像左隣の右上第二小臼歯近心のむし歯は次回治療します。
この3本の歯の治療回数は1本/回の3回です。
すべて生活歯のまま治療を終えています。
歯髄は血流による栄養補給と知覚を司っていますので可能な限り取らない方が良いです。
即日修復以外では表面を汚染させてしまうため、接着強度が落ち、細菌による感染面から術後の確実性が落ちます。
むし歯が深い場合、様子をみる名目で保護セメントで期間を置くことが一般的には行われていますが
汚染期間を延ばすだけであり、本末転倒です。
いろいろな理屈を書きましが、理屈の通らない合理的でない治療は弊オフィスでは致しません。
タイトルにも書きましたが、「重度のむし歯こそセレックでセラミック即日修復を!」です。
O・Tさん、よくぞご決断なさいました。
今後ますます楽しみです!
広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス