顕微鏡根管治療広島
2023.11.18
右下第一大臼歯の根管治療をやり直しました。2023.011.18|レジンクラウンの問題点
右下第一大臼歯の再根管治療を行います。(矢印)
奥側(画像左側)の歯との境目は黒い層があり、隙間がある可能性があります。
実際の右下奥歯です。
レジン製のかぶせものがセットされています。
完全重合したレジンは、レジンセメントを用いても十分な接着強度が出ませんので、そもそも問題があります。
レジンはつまりプラスチックの一種ですから、
天然歯に比べ、すり減りが早く、汚れ・細菌が付着しやすく、十分な接着が出来ないという性質があり、
レジンクラウンは長期的な歯科治療には不適切な材料と私は考えます。
仮歯として一時的に使用するには問題ないと考えます。
ラバーダムを装着してレジン製のかぶせものを除去しました。
歯の内部の単調に白い部分はレジンコアです。
レントゲン通り、かぶせものを除去した直後であるにも関わらず、歯ぐきが歯の上に乗っています。
除去したレジン製のかぶせもの(クラウン)です。
境い目から汚染されています。
これをコップに入れて水を飲むことは出来ません。
レジンコアを慎重に取り除きました。
根管充填材であるガッタパーチャ(天然ゴムの一種)が見えています。
ビタペックスと考えられる黄色い薬剤がシーラーとして用いられています。
超音波スケーラーが届く範囲のガッタパーチャを取り除きます。
この歯は4根管性の第一大臼歯ですので、それぞれ根尖(歯根の先端)までファイリングします。
電気的根管長測定を行っている場面です。
前回までに4根管とも無事に未攻略部分を攻め切ることが出来ました。
排膿や異常な出血がないことを確認して根管充填に進みます。
薬液洗浄後に滅菌ペーパーポイントで吸水乾燥します。
根管充填直前の根管口の様子です。
シーラーとサーマフィルのシステムで、垂直加圧根管充填を行います。
余分なキャリアをサーマカットでカットしました。
キャリアはポリスルホン樹脂で出来ており、生体内に存在して問題ないと考えられています。
垂直加圧根管充填後のデンタルレントゲン写真です。
根尖まで到達しているかどうか、はっきりと白黒つけることが出来るジャンルであり、
歯科治療においてごまかしの効かない領域と言えます。
次回、支台築造を行い、その日のうちにセレックでセラミックのかぶせものを製作し、接着して完成です。
O・Nさん、この歯も無事に根管治療が終わり、私も安堵しています。
あとで少し痛みが出るかもしれませんのでお大事に。
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス