顕微鏡根管治療広島
2023.6.14
膿が溜まっていた左上小臼歯の再根管治療を行いました。2023.06.14
左上第二小臼歯の歯根の先端に根尖病変が出来ています。
根管内部に線維組織である歯髄の残骸が残っていたり、細菌感染が起こることで歯根の先端に膿が溜まっている状態です。
再根管治療を行うことで、根管内部を機械的な清掃及び薬液による消毒することによって治癒していきます。
過去に神経を取る処置が行われている歯において、再治療が必要であるということは、一回目の治療に不備があったと言わざるを得ません。
ピラミッドの盗掘と同じで、一回目の治療時が最も適切に治療できますので、一回目の治療をどこで受けるかが最も大切です。
つまり、再治療にお金をかけるより、一回目の治療にお金をかける方が遥に効果的で有効ですが、
わが国の医療制度では、そうならないことがほとんどであり、結果として弊オフィスのビジネスが成立しています。
なんてことのない普通の根管治療だったはずが、わざわざ難易度を上げられて、自分の目の前に現れるわけですから、
歯科医師が開発すべきは、治療方法ではなく、タイムマシンであると考えます。
歯科用CTによる断層撮影をつなげたものです。
実際の左上奥歯です。
矢印の歯が左上第二小臼歯です。
まずはセラミック製のかぶせものを除去しました。
周囲からの漏洩が存在しています。
コンポジットレジンとファイバーポストによる支台築造が白く見えています。
除去したかぶせものの内面です。
時代背景として、フッ酸処理がなされていないため、漏洩が起こっています。
コンポジットレジンとファイバーポストによる支台築造を慎重に取り除いていきますと、内部から排膿してきました。
根管充填材であるガッタパーチャがピンク色に見えています。
すりガラス状の部分はレジンですので、これも取り除きます。
根尖(歯根の先端)まで無事に攻略出来ましたら膿が湧いて出てきました。
2根管性に見えるこの歯ですが、実は中隔があっただけで、1根管性の左上第二小臼歯でした。
中隔は川の下流の三角州のような部分で、それがある事で中隔の向こう側の清掃をすることが出来ず
感染源・汚染源がきれいに出来ない状況になってしまいます。
中隔を除去してシンプルな1根管性にし、根管清掃します。
再根管治療を行うことで排膿が治まってきましたので、根管充填に進みます。
電気的根管長測定を行って、根尖までの到達を確認している場面です。
薬液洗浄後に超音波スケーラーでリンスし、滅菌ペーパーポイントで吸水乾燥します。
サーマフィルのシステムで垂直加圧根管充填しました。
#80が根尖まで到達し、#55で材料を追加して加圧しています。
余分なキャリアーをカットしました。
垂直加圧根管充填後のレントゲン写真です。
根尖まで充填出来て安堵する瞬間です。
次回、問題なければ支台築造します。
S・Tさん、後で少し痛みが出るかもしれませんのでお大事に。
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス