セラミック歯科広島
2025.5.23
右上小臼歯2本の金属除去&セラミック修復しました。2025.05.23|e.max®セラミックインレー
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治です。
Y・Kさんの右上小臼歯2本の金属を除去してセラミック修復を行います。
たくさんの歯を同時に治療すると「咬み合わせの迷子」のような状態に陥ることがありますので注意が必要です。
加えて、顎関節内部の下顎頭(下顎関節頭)の位置は歯の咬み合わせ(=咬合(こうごう))によっても規定されますので
複数の臼歯を一度に除去や形成すると、
歯の咬合接触によって位置づけられていた関節頭が、咬合接触が無くなることで上方に移動し、
臼歯の咬合高径が低くなる(バイトが低くなる=老人様顔貌)ことがあります。
咬合高径が低くなってしまった顎位(顎の位置)で修復物を製作してしまうと、顎関節の不調(=顎関節症)を引き起こすことがあります。
それを防ぐためには、咬合高径を維持する咬合接触部分を必ず残しておくことが大切です。
このケースでは、右上第一大臼歯が咬合高径を維持していますので、小臼歯2本の治療を同時に行っても問題ないと判断しています。
歯科治療においても「急がば回れ」は適応されます。
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金属除去ですので、いつものようにラバーダムを装着し金属切削片から口腔粘膜を保護します。
顕微鏡を降ろし、ビデオ録画を開始して、治療をスタートします。
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まずは金属を除去しました。
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〇部分にはプラーク(=細菌塊)が入り込んでいました。
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除去した金属の内面です。いつものことながら古墳からの出土品のようです。
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う蝕検知液で染色します。
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水洗しました。プラークが染まっています。
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染色と切削を繰り返し、セラミック修復に適した形態に形成しました。
茶色に見える部分がありますが、う蝕検知液に染まらない状態ですからこれ以上の切削は行いません。
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セレックプライムスキャンでスキャニングします。
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迅速に2個のセラミック修復物をデザインします。
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セラミックブロックから削り出します。
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焼成前は紫ですが、焼成することで歯冠色になり強度も増すe.max®ブロックを用います。
二ケイ酸リチウムガラスセラミックです。
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2個のセラミック修復物を削り出しました。
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口腔内で適合と隣接部分の接触圧を調整します。
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裂溝のディテールアップと研磨を行い、840度で約20分間真空焼成します。
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セラミック修復物の接着面をフッ酸処理します。
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乾燥状態で3段階の接着の下処理を行い、レジンセメントで接着します。
写真は、光照射してレジンセメントを硬化させている場面です。
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咬合調整と仕上げ研磨を終えました。
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Y・Kさん、これで右上下奥歯から金属が無くなりました。
すべてはご決断の賜物です。
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広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス