セラミック歯科広島
2025.4.11
ヒビの入っていた左下第一大臼歯をセラミック修復しました。2025.04.11|歯の亀裂・割れ
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治です。
2025.03.19にクリーニングの際、矢印の左下第一大臼歯の遠心部分にヒビ(亀裂)があることが判りました。
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〇の部分からヒビが入っています。
ヒビが長く深くなっていくと、歯の神経(=歯髄)に到達して細菌感染し、神経を取る必要が出てきます。
場合によっては薪割りのように割れて歯牙破折を起こし、抜歯せざるを得ない状況にも成り得ます。
現在のところ無症状ですが、治療をご決断です。
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治療前に現状の天然歯の形態をスキャンして残しておき、
麻酔麻酔後に咬合面部分を形成して、現状の天然歯の形態を参考にセラミック修復物を接着する治療方法で臨みます。
天然の無垢の歯にヒビや亀裂が入るということは、大きな咬合力がかかっています。
ヒビが入っている部分の周辺だけを形成した部分修復では、咬合力に耐えられない場合が考えられます。
天然歯を形成することを躊躇った結果として、歯が割れて抜歯に至ることは最も避けるべき事象ですので
現在のところ、ヒビや割れのケースでは咬合面全体をカバーする修復方法をお勧めしています。
自分が受けたい治療・家族にする治療のみを行います。
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治療前の天然歯の形態をスキャンし残しておいて治療のスタートです。
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ラバーダムを装着し、顕微鏡(マイクロスコープ)を降ろしてビデオ録画を開始し、スタートです。
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ダイヤモンドポイント(ダイヤモンドバー)でガイドグルーブ(基準の溝)を入れていきます。
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ヒビが遠心(奥側)から歯の中央にかけて入っていました。
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検知液を用いながら支台歯形成を終えました。
咬合面にセラミック修復物を接着しカバーすることで歯が拡がることを防ぎます。
万が一セラミックが割れることがあっても、セラミックがエネルギーを吸収することで、歯が助かる可能性が高まります。
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セレックプライムスキャンでスキャニングしました。
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治療前の天然歯の形態をコピーしてセラミック修復物をデザインします。
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セラミックブロックから削り出します。
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e.max®ブロックからセラミック修復物を削り出します。
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ミリングマシンで削り出しを終えました。
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口腔内で適合を確認します。
このケースのようなテーブルトップベニヤ修復治療の場合、前後の歯とのコンタクトエリア(接触面)はセラミック内に含めます。
コンタクトエリアにセラミックと天然歯とのマージンライン(境界線)を設定すると、スキャンの不正確の原因となり、セット後のフロスでの清掃性にも問題を残します。(フロスの引っ掛かり)
例外として、コンタクトエリアが歯肉側の低い位置に存在するケースで、テーブルトップの厚みが十分に取れる場合はコンタクトエリアは含みません。
コンタクトエリアに接合部分を位置させないことが重要です。
天然歯に関しては、「出来るだけ削らない」ことよりも気を付けるべき大切なことがたくさんあると考えています。
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裂溝のディテールアップと研磨をし、840度で約20分間、真空焼成します。
焼成することで結晶構造が揃い、強度が増し、歯冠色になります。
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接着面をフッ化水素酸で酸処理します。
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3段階の接着準備処理を行い、乾燥状態でレジンセメントで接着し、咬合調整と仕上げ研磨を終えました。
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O・Hさん、よくぞご決断なさいました。
ヒビによって不可逆的な状態になる前に治療が出来て私も嬉しいです。
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広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス