セラミック歯科広島
2023.3.11
右上第二大臼歯の金属を除去したら内部はむし歯になっていました。2023.03.11|ひどい虫歯|広島
右上第二大臼歯の金属インレーを除去してセラミック修復を行います。
金属を除去しますので、金属切削片から口腔粘膜を保護するためにラバーダムを装着してスタートします。
金属切削片が高速で飛び散ることで口腔粘膜に感作し、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
アップです。
露出している歯質はガタガタにかけて、金属と歯質の境目から内部への漏洩を疑わせる状態です。
このレベルですと咬合面はすべて保護することが好ましいと考えます。
歯質を残すことは大前提ですが、脆弱部分を残したり、迷いのある接合ラインの設定にすると
結果として本末転倒な状態となってしまいます。
金属を分割して除去します。
むし歯になって「治療」を受けた内部がこのようになっています。
内面は完全に細菌に汚染されており、口臭の原因となります。
奥側半分が取れた状態です。さらに除去を進めます。
顕微鏡下で録画しながら行います。
除去した金属の内面です。
細菌の増殖基地の役割を果たしていたと考えられます。
全ての金属が取れました。
この歯の左上1/4の白い部分は過去のむし歯をセメントで埋め戻してある部分ですので
過去の人工物は全て取り除きます。
過去のセメントを除去しました。
ここから う蝕検知液を用いて染色と切削を繰り返します。
ラバーダムを装着したままでは遠心部分(奥側)が見えにくくなるため、
バキュームのアダプター(Mr.thirsty)に切り替えて常時乾燥させながら治療を進めます。
後述するデンティンシールまではうがいは禁物です。唾液による汚染を防ぐためです。
う蝕検知液による染色と切削を繰り返し、切削する部分を取り終えました。
茶色くなっている部分は過去のむし歯の影響であり、ピンクに染まる部分ではありませんので
これ以上の切削は避けます。
もし仮に、茶色の部分を全て切削すれば神経(=歯髄)が出てしまいます。
接着処理とコンポジットレジンでデンティンシール(象牙質保護)を終えました。
汚染のない状態でコンポジットレジンでコーディングすることで
レジンセメントで接着時に歯質表面に気泡が接することを防ぎます。
セレックプライムスキャンでスキャニングします。
ケースによってはパウダリングするほうが早く正確にスキャニングできます。
二ケイ酸リチウムガラスセラミックであるe.max🄬ブロックから削り出します。
削り出し(ミリング)を終えました。
口腔内で試適します。
適合と接触圧を確認します。
研磨して840℃で約20分間真空焼成します。
そうすることで結晶構造が整い歯冠色になり強度がアップします。
改めてバキュームのアダプター(Mr.thirsty)を装着して乾燥状態を作り出し、
酸処理とボンディング処理を行いレジンセメントで接着しました。
咬合調整と仕上げ研磨を行い完成です。
初診時の状態はこちらです。
I・Hさん、内部は強敵でしたが無事に終わり安心しました。
治療直後は冷たいものがしみるかも知れませんのでお大事に。
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス