顕微鏡根管治療広島
2016.1.22
歯根の先端に溜まった膿が出る動画です。顕微鏡根管治療 2016.01.22
CT撮影時に合成されるパノラマレントゲン写真です。
右下第一大臼歯遠心根の根尖(根の先端)に病変が形成されています。
かなりの痛みが出ておられ、鎮痛薬で抑えているとのことですので早急に治療します。
かつて神経を取って、根管充填、スクリューポストの稙立、セラミックのかぶせもがセットされています。
その逆のアプローチですべてを除去してから再根管治療を行います。
CTによる断面像です。
病変がはっきりと存在しています。
痛みの原因として、病変部分に膿が溜まって内圧が高まっていることが予想されます。
歯根の内部から膿を出して、圧力を逃がすことが必要です。
実際の右下奥歯です。
写真中央のセラミックの歯を壊していきますのでラバーダムを装着します。
ここからは顕微鏡動画です。
セラミッククラウン(かぶせもの)に5倍速コントラで切れ目を入れて、こじると簡単に取れました。
セラミッククラウンと歯の接着が効いていない状況であったことを表しています。
続いて、スクリューポストの除去に取り掛かります。
できるだけ歯質を切削したくありませんので超音波スケーラーでレジン部分を選択的に壊していきます。
無事にスクリューポストが除去できました。
全長8㎜程のスクリューポストです。
弊オフィスではスクリューポストは力学的にも不要と考えるとともに
天然歯に対して金属を用いることを廃止しています。
チップが到達する部分まで超音波スケーラーで根管充填材であるガッタパーチャを取り除きます。
ガッタパーチャは天然ゴムの一種ですので、ゴムを溶かすリモネンを主成分とする薬剤
(GPソルベント)を用いて除去を容易にします。
OKマイクロエキスカでどんどん除去します。
かつての治療で未攻略であった部分をファイル(ヤスリ)で攻めていきます。
アマゾンの原生林を切り拓いたり、未登頂の山を登るときはこんな気持ちなのでは?と思いながら治療しています。
幸運なことに遠心根の先端までファイルを到達させることができました。
シリンジで薬液洗浄しますと根尖病変から出てきたと思われる血液の混じった膿がドロッと出てきました。
話が逸れますが、ミラーの視野を妨げず、かつ適切なバキュームをしてくれるスタッフHさんに
感謝せずには居れません。
これで痛みが治まることを願いますが、根管治療後に違和感が出ることはよくあることですので、ご説明は欠かせません。
本日はこのあと、近心根の2根管も根尖まで到達できました。
次回、排濃の様子を観察し、根管治療の続きを行います。
S・Yさん、今ごろ痛みは治まっているでしょうか?それとも一時的に、より痛んでいますでしょうか?
かぶせものやスクリューポストよりも、根管治療が最も重要であることを再認識させられるケースです。
もしよろしければ
ブログランキングに投票のため、このリンクのクリックお願いいたします。
顕微鏡根管治療動画を録画しながら行う広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)