セラミック歯科広島
2015.5.15
深いむし歯をセラカルLCを用いることで神経を取ることなく治療できたケース 2015.05.15|広島
右下第一大臼歯に大きなむし歯が出来ています。
少し痛みが出始めています。
一見そこまでむし歯は大きくないように見えますが、内部で拡がっていることがむし歯の特徴です。
レントゲンで判っている部分を慎重に切削していきます
やはり、かなりの範囲がむし歯になっています。
エキスカベータで軟化象牙質(むし歯)を除去していきます。
ある程度進めましたらう蝕検知液で軟化象牙質を染色します。
水洗しました。まだかなりの範囲の除去が必要です。
軟化象牙質の除去を慎重に進めましたら、点状に2箇所神経(歯髄)が露出しました。
ラバーダムを装着し、唾液の汚染はありませんので露髄(歯髄が出ている部分)した部分を保護し、歯髄を取らずに済むようにします。
神経(歯髄)の血流によって歯に栄養が供給されていますので可能な限り神経を取らないようにします。
MTAセメントと同じケイ酸カルシウムを主成分とするセラカルLCで露髄部分を保護します。
セラカルLCでの保護を終えました。
こういった治療にはラバーダムが必須です。(汚染の防止と呼気中の水蒸気の遮断のため)
セラカルLCで保護したあとは、ボンディング処理を行い、コンポジットレジンを積層していきます。
コンポジットレジンは重合収縮しますので少しずつ注入しては光照射して硬化させます。
コンポジットレジンの充填を終えました。
このケースでは、治療開始時に少し痛みが出ていましたので、この状態で痛みが出ないか様子を見ます。
幸いなことに問題となる神経の痛みは出ませんでしたので、本日セレックワンデイ治療を行い完成へ向かいます。
前回充填したコンポジットレジン部分を形成しセラミック修復します。
咬合面を大きなレジン充填のままにしますと、食べるたびに磨り減ってしまい、かみ合わせがずれてしまいます。
頬側面溝もコンポジットレジン充填を終えています。
パウダリングしてセレックでスキャンします。
セラミック修復物を迅速にデザインします。
約5分で完成したセラミック修復物(セラミックインレー)の適合を確認します。
レジンセメントでの接着と仕上げを終えました。
かなりの自発痛が出ていない状態でしたら、神経が助かる可能性は高いと感じています。
この歯の場合は無事に神経が助かりました。
※生体に対する治療ですので、必ず、絶対、うまくいくものではありません。
T・Nさん、この歯の神経が助かって私もうれしいです。
今後痛くならないことを祈っています。
広島市南区の自由診療専門歯科医院 三好デンタルオフィス