セラミック歯科広島
2021.9.4
右上臼歯4本の再根管治療・セラミック治療を順次行いました。2021.09.04|広島
右上大臼歯・小臼歯 合計4本の金属を除去し、再根管治療およびセラミック修復を行います。
初診時のレントゲン写真です。
まずは矢印の右上第一大臼歯からスタートします。
金属除去ですので金属切削片から口腔粘膜を保護するためにラバーダムを装着して開始します。
まずは金属冠(メタルクラウン・FCK)を除去しました。
内部のメタルコア(金属支柱)が見えています。
除去した金属冠の内面です。
続いてメタルコアも分割して除去していきます。(顕微鏡画像:画面撮り)
顕微鏡(マイクロスコープ)下でビデオ録画しながら行います。
除去したメタルコアの内面は汚染されていますが、汚染の度合いが強いです。
この場合、内部のパーフォレーション(穿通:せんつう=穴あき)が疑われます。
除去を進めますと、穿通部分が見えてきました。
残念ながら穿通部分は過去の治療時にドリルによって
誤って穴があけられている部分です。
顕微鏡画像:画面撮りです。
無事にメタルコアの除去を終えました。
通常よりも極端に黒くなっていることが判ります。
根管口の状態です。
こちらも通常よりも極端に黒いことが判ります。
メタルコアが常に浸出液に接触していたことを疑わせます。
1本の歯から除去した金属群です。
ここからは口蓋根管分岐部側壁の穿通部分の修復に取り掛かります。
穿通部分を発見した場合、直後の方が出血・歯肉の増殖が少ないことが多いですので
出来るだけ即座に修復します。
アップです。歯槽骨の骨組織が軟組織に置き換わっています。
即座に修復するとすれば、予定外に時間がかかることもあり、次のアポイントの患者さんを
お待たせすることも考えられますが、あなたにもそうしますのでご容赦ください。
(弊オフィスではアポイント時間に余裕を持っていますが不可抗力として)
口蓋根管分岐部側壁の穿通部分の修復を終えました。(矢印)
口蓋根管の穿通部分を修復して安堵していましたら
近心頬側根管にも穿通がありました。
範囲が全域に渡って黒くなっていたこととの整合性があります。
赤矢印部分が近心頬側根管です。
同じく穿通部分の修復を終えました。
1ヵ所穿通している歯の場合、残念ながら「他にも」穿通させられている可能性が高いと言えます。
「他にも」は「他の歯にも」を含みます。
ここからは通常どおり再根管治療を行います。
3根とも根尖まで攻略し、薬液洗浄後に滅菌ペーパーポイントで吸水乾燥します。
サーマフィルによる垂直加圧根管充填を行います。
根管口が広い部分には材料不足を避けるため2本充填しています。
垂直加圧根管充填後のデンタルレントゲン写真です。
根管充填を以って再根管治療を終え、支台築造を行う前の状態です。
コンポジットレジンによる支台築造を行い、画像左端の右上第二大臼歯の金属除去へ進みます。
金属を除去しますと、そこは細菌の天国です。
いつもの風景が広がります。
いつもの表現で恐縮ですが、これをコップに入れて水を飲むことは出来ません。
う蝕検知液で軟化象牙質を染色し、切削と染色を繰り返しました。
茶色いからといってすべて削るわけではありません。
う蝕検知液で染まる部分を切削します。
セレックでスキャニングしてセラミック修復物をデザインします。
右上第二大臼歯のセラミック修復が終了しました。
ここからは画像右側の左上小臼歯2本の治療に進みます。(第一小臼歯(右)・第二小臼歯(左))
金属を除去しました。
周囲にプラークが付着しています。
う蝕検知液で染色と切削を繰り返しデンティンシール(象牙質保護)まで終えました。
パウダリングしてセレックでスキャニングします。
セレックでセラミック修復物をデザインします。
セラミックブロックから削り出します。
削り出しを終えました。
口腔内で試適後、研磨して電気炉にて840℃約20分間真空焼成します。
乾燥状態で接着し、咬合調整と仕上げ研磨を終えました。
そして最後に右上第一大臼歯(画像左から2番目)のセラミッククラウン(被せ物)を製作します。
支台歯形成後にパウダリングしてセレックでスキャニングします。
迅速にデザインします。
セラミックブロックから削り出します。
製作を終えました。
研磨後に乾燥状態でセットして咬合調整・仕上げ研磨を終えました。
K・Sさん、いよいよ金属の残りは左上のみとなりました!
すべてはご決断の賜物です!
広島市南区の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス