顕微鏡根管治療広島
2026.1.24
左上第一大臼歯の再根管治療を行いました。2026.01.24|奥歯に膿が溜まったらどうする?

広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治です。
S・Kさんの左上第一大臼歯(左上6:矢印)の金属を除去して再根管治療を行います。
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パノラマレントゲン写真からの切り抜きです。
矢印の歯が左上第一大臼歯です。
矢印の左直下あたり、近心頬側根の先端には病変がドーム状に黒く写っています。
神経を取る処置(抜髄)の後、メタルコアとインレーがセットしてあると考えられます。
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金属を除去しますのでラバーダムを装着して金属切削片から口腔粘膜を保護します。
金属切削片が口腔粘膜と触れると金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
つまり、金属を無くそうとしてアレルギーを起こさせてしまうという本末転倒な状況になってしまいます。
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まずは金属の詰め物(メタルインレー(Inlay))を除去しました。
厳密には、咬頭を含むのでアンレー(Onlay)ですが、咬合面の部分修復につき広義のインレーです。
内部にはメタルコア(金属支柱)が見えています。
インレーとコアは両者とも銀合金ですが、組成が大きく異なる異種金属です。
異種金属が湿潤下で存在するとガルバニ電流を発生させ、場合によっては自律神経失調症を引き起こすことも有り得ます。
今日では、天然歯に対する治療は完全に金属を使用せずメタルフリーで完結出来ます。
インプラントもチタン製インプラントが信頼性及び治療の融通性において第一選択ではありますが、
ご希望の場合は金属でないジルコニアインプラントも可能です。
※ジルコニアインプラントは国内未承認医療機器です。歯科医師である私の責任において輸入し使用しています。
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除去したメタルインレーの内面です。
周囲からの漏洩によってプラークが付着しています。
金属は熱膨張率が天然歯質よりも大きいため、温度差のある食べ物によって膨張と収縮を繰り返し、漏洩することがあります。
これは材質の物性の問題であり、歯科医師の技術では解決出来ません。
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メタルコアの除去も終えました。
内部は汚染されています。
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1本の歯から除去した金属群です。
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ここからは根管治療用のヤスリ(ファイル)で歯根の先端(=根尖(こんせん))までの清掃を行います。
根尖まで未到達であったものを自分の技術で到達させること、
つまり攻略する喜びは歯科治療のジャンルの中でも特別な達成感を得られます。
根管内部の汚染物質によって、ドーム状の根尖病変が形成されますので、
歯根の先端まで根管清掃を行うことで病変が消失していくことが期待できます。
写真は根尖までのファイルの到達を、電気抵抗を利用して測定している場面です。(電気的根管長測定:EMR)
3根管性の左上第一大臼歯でしたので、3根とも攻略出来ましたら、次回の治療時に排膿の有無を確認し、
根管充填に進むかどうか考えます。
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本日、異常な排膿や出血が無かったため根管充填に進みます。
根管長測定を改めて行い、ファイルのサイズを決定後、2種類の薬液で洗浄します。
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超音波水流で薬液をリンスします。
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滅菌ペーパーポイントで吸水乾燥します。
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シーラーを3根管の根管口にわずかに置きます。
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ポリスルホン樹脂の周囲にガッタパーチャ(天然ゴムの一種)を巻き付けたサーマフィルのシステムで垂直加圧根管充填します。
専用のヒーターで温めたサーマフィルを口蓋根管に挿入します。
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断面が広い口蓋根管は加圧不足を防ぐため、もう一本挿入して材料を補います。
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続いて遠心頬側根管です。本数が進むにつれてスペースが狭くなって難易度が上がります。
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最後は近心頬側根管です。
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ガッタパーチャが温かいうちにプラガーで圧接します。
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3根管を合計4本のサーマフィルで垂直加圧根管充填しました。
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刃のついていない球状のサーマカットを回転させ、摩擦熱で余分なキャリアーをカットします。
摩擦熱が伝わりすぎると火傷を引き起こす可能性がありますので慎重に行います。
高温の器具を根管内や歯質に当てる可能性の高いシステムでは火傷リスクがあると考えますので、
熱のコントロールがしやすいサーマフィルのシステムを採用しています。
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サーマカットで余分なキャリアーをカットし、注水下でダイヤモンドバー整えました。
黒い部分がポリスルホン樹脂で、ピンクに見える部分がガッタパーチャです。
この歯は矢印部分の口蓋側歯質に亀裂が入っていますので、次回セラミック修復時には咬合面をカバーするタイプである
セラミックオーバーレイ(Overlay)を製作して接着します。
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亀裂の部分です。
神経を取ってある失活歯(しっかつし)は栄養供給が絶たれているため柔軟性が失われ脆くなっていきます。
一説には神経を取って30年後を境に歯根破折の可能性が高まるといわれています。
特に再治療の際には、削る削らないではなく、長持ちする保護方法を選択すべきと考えます。
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サーマフィルによる垂直加圧根管充填後のデンタルレントゲン写真です。
歯根の先端(根尖)まで根管充填出来て安堵する瞬間です。
私は誰が見ても先端まで根管充填出来ているという状態、議論の余地の無い根管充填を理想としています。
無駄な再治療は歯質を減らすだけであり、全ての根管治療は歯質の切削を伴いますので無限回の治療は出来ません。
私は根管治療がとても好きですが、それと同時に大きな無力感も感じます。
天然歯に対する歯科治療はすべて、割れた焼き物を直すようなものであり、割れていない状態には戻せません。
つまり根管治療も万能ではなく、あくまでも人為的な延命処置のような位置づけと考えます。
神経を取らないようにすることが最も大切です。
残念ながら神経を取ることになったら最初の治療で十分な結果を得るようにすることが次に大切です。
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※撮影方法が異なるため単純比較は出来ません。
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S・Kさん、無事に攻略出来て私も嬉しいです。
あとで少し痛みが出るかもしれませんのでお大事に。
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広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス