審美歯科広島
2025.6.27
崩壊していた上顎前歯2本のセラミック修復を行いました。2025.06.27|中切歯

広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治です。
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左上1(左上中切歯)が大きな むし歯になっています。
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大きな むし歯ゆえ「抜歯してインプラント治療をせざるを得ない」との覚悟の上、来院されました。
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デンタルレントゲン写真において、歯冠のダメージは大きいものの、歯根はまだ使える状態と判断しました。
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舌側面観ミラー像です。
歯の内部に存在する肉状の組織は歯髄息肉です。
ゆっくりとむし歯になることで歯髄腔から露出した歯髄が見えている状態です。
このことから、歯髄処置(根管治療)を行い、ファイバーポストによる支台築造を行うことで
セラミッククラウンをかぶせることが可能と判断しました。
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右上1にも大きなコンポジットレジン修復がなされていることから、左右上顎中切歯、2本の治療をご決断です。
大原則として、奥歯の治療を先に行い咬合高径(嚙み合わせの高さ)が定まった後、前歯の治療に戻ることが推奨されます。
G・Oさんの場合は奥歯の治療は今後必要ですが、咬合高径が変わる治療にはならないため、前歯の治療を先に行います。
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初回の治療時には仮歯を作成します。Telio® CAD(仮歯用レジンブロック)から削り出します。
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局所麻酔後に、むし歯の穴をレジンで便宜的に充填して概形成し、スキャンします。
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元の形を参考にして仮歯をデザインします。
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仮歯の段階では2本連結しておくことで脱離への抵抗力を高めるとともにハンドリングを簡略化します。
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待合室入り口のミリングマシンで削り出しを終えました。
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仮歯の削り出し加工の間に、根管治療を終えました。
この時点で、左上1の抜歯が回避できることが確定しました。
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仮歯の内面をレジンでウォッシュして現物合わせし、仮着セメントで仮留めして治療1回目の終了です。
仮歯は敢えてわずかに白い色調を選んでいます。
仮歯である以上、ぴったり合った色調にするのは難しいため、濃い色よりも明るい色を試してもらいたいためです。
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2回目の治療時にサーマフィルのシステムで垂直加圧根管充填を行いました。
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3回目の治療時にファイバーポストによる支台築造を行い、正中部分の歯肉にCO2レーザーを照射して整え、スキャニングします。
右上1の古いレジンに対しても処置を終えています。
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G・Oさんの前歯は咬合負担のかかりやすい状況であるため、フルジルコニアクラウンを選択し、
歯科技工士さんに製作を依頼しました。データのみによる型取り無しのフルデジタル製作です。
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ジルコニア モノリシッククラウン (ジルコニア フルカントゥアクラウン)と呼ばれるジルコニア無垢のかぶせものです。
連結している連冠ではなく、1本ずつの単冠です。
色調の再現には歯科技工士さんの高い技術力と経験値が必要です。
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適合を確認した状態です。
G・Oさんと相談の上、左右側切歯 歯頚部付近のブーメラン状の着色帯の再現は省いています。
左右の上顎中切歯を治療することで、左右対称(シンメトリー)となり審美性の回復に寄与します。
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レジンセメントによる接着を終えました。
歯肉縁下に接合部がある歯肉縁下マージンであるため、セメント残りが無いように顕微鏡下で
徹底的にセメント除去します。
セット後の写真は必ず歯科技工士さんに送信してフィードバックします。
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4回目の治療終了時のおくちです。
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G・Oさんは高校の同級生であり、こうして訪ねて来てくれることは無上の喜びです。
「三好が歯医者で良かったよ!」
胸にしまって今後も精進して参ります。
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広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス