セラミック歯科広島
2024.10.24
左上奥歯3本の治療を行いました。2024.10.24|アマルガム・メタルインレー除去
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治です。
左上臼歯3本の治療を1回で行います。
※弊オフィスは、治療回数の少なさや、スピード勝負をしているわけではありません。
合理性があれば1回で治療しています。
画像右端:左上第二大臼歯にはアマルガム充填がなされています。
右から2番目:左上第一大臼歯にはメタルインレー(銀の詰め物)がセットされています。
右から3番目:左上第二小臼歯は金属と接する部分にコンポジットレジン修復がなされています。
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左上第二小臼歯の金属と接する部分がむし歯になっていたと思われます。
むし歯の治療として、かなり劣化したコンポジットレジン修復が存在しています。
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ラバーダムを装着してメタルインレーを除去しました。内部はこのように黒くなっています。
金属の切削時には金属切削片が大量に出ますので、ラバーダムを装着して口腔粘膜を保護します。
金属切削片が口腔粘膜に触れると、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
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アマルガム充填も除去しました。
アマルガムとは、金属粉末と水銀を混ぜ合わせてアマルガメーションを起こし、合金化させたものです。
アマルガムに用いる水銀は無機水銀であり、公害の原因物質である有機水銀とは異なります。
アマルガムの切削時には水銀蒸気が発生しますので、注水による十分な冷却とバキュームが必要です。
アマルガムは現在の歯科治療において、新規で用いられる可能性は限りなく低い材料です。
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第二小臼歯の古いコンポジットレジン修復を取り除き、う蝕検知液を用いて軟化象牙質を除去しました。
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酸処理と接着処理を行い、新たにコンポジットレジン修復を行いました。
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第二大臼歯のアマルガム修復を取り除いた部分にも同様にコンポジットレジン修復を行いました。
う蝕検知液で染まる むし歯(軟化象牙質)を切削して、染まらなくなるまで繰り返します。
象牙質は約70%の石灰化度であり、残りの約30%はコラーゲンです。
むし歯菌が酸性する酸によりカルシウム分が溶け出ることで むし歯(=軟化象牙質)になり、残ったコラーゲンは う蝕検知液の色素で染まります。
コラーゲンが露出した部分には接着することができませんので切削する必要があります。
茶色いから削るというわけではありません。
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ラバーダムを外し、赤い咬合紙で咬合をチェックし、高い部分が無いことを確認してから
セレックプライムスキャンでスキャニングし、セラミック修復物のデザインを終えました。
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セラミックブロックから削り出します。
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焼成前は紫色であるe.max®ブロックから削り出します。
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試適しました。
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研磨後に840℃で約20分間真空焼成します。
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乾燥状態で接着し、咬合調整と仕上げ研磨を行いました。
仕上げとセメント除去の確認のため、歯肉が痛々しいですが、すぐに回復します。
段差やセメント残りがあると、フロスがスムーズに通らず、むし歯や歯周病の原因となりますので、
麻酔が効いている間に徹底的にチェックと研磨を行います。
仮に歯肉が痛すぎるようであれば、麻酔を追加してでも仕上げをします。
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K・Tさん、本日で無事に上顎のメタルフリー達成ですね。
次回からの下顎の治療も楽しみです。
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス