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メタルフリー歯科広島
2023.2.3
左上第一大臼歯の大きなメタルコアを除去しました。2023.02.03|やり直し|難症例|広島
左上第一大臼歯のメタルコア(矢印)を除去して根管治療をやり直します。
威容に聳え立つその姿はまるでモン・サン=ミシェルのようです。
そもそも除去することを想定せずにセットされているわけですから
歯根に突き刺さる長さが長いほど除去は困難を極めます。
困難であるほど除去することへの闘志が湧き上がってきます。
実際の左上第一大臼歯です。(矢印)
金属を切削しますのでラバーダムを装着して金属切削片から口腔粘膜を保護してスタートです。
まるごと取り出す一塊除去は歯根にストレスがかかりすぎる可能性があるため
顕微鏡下で録画しながら小分けに分割して取り除きます。(顕微鏡画像画面撮り)
まずは近心頬側根管に入っていたメタルコアを除去出来ました。
続いて遠心頬側根管に入っていたメタルコアも除去できました。
最後に最も太く大きい口蓋根管のメタルコアを除去しました。
かなりサイズが大きいものでしたので、削り取る必要があるかと覚悟しましたが
最後は抜けてくれました。
もし抜けなかったとしても、慎重に切削して除去します。
歯の長さは有限ですので、とにかく慎重に行えば取れないメタルコアはありません。
ただし「とにかく慎重」に行うためには、かなりのノウハウと集中力が必要です。
メタルコアの除去を終えた左上第一大臼歯の歯根です。
メタルコア形成時に根管口を逸脱してドリルにて余分に切削されています。
余分な切削は穿孔リスクや歯根の強度低下を招きます。
メタルコアをセットするための形成で歯の強度を落とすという本末転倒な行為です。
人工的な根管形成は本来の形状を改悪してしまうため、再根管治療をさらに困難にします。
上記のような理念の下での治療は、厚すぎるセメント層や防湿不足といった接着の不備を起こしていることが多く、
結果として、除去が困難と想定されるメタルコアでも運よく取れるという、私にとっての幸運をもたらします。
遠回しな表現にせざるを得ず、分かりにくくなっていることをお詫びします。
分割して除去したメタルコアです。
約8.5㎜ほどの全長があります。
M・Tさん、ついにこの歯のメタルコアも除去できました。
次回からの再根管治療も頑張っていきましょう!
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス