セラミック歯科広島
2016.5.24
メタルインレー内部にアマルガムが存在しているケース 2016.05.24
「金属のつめものがとれたのに内部にまだ金属があるようなんです」
金属インレーが脱落した左下第二大臼歯には確かにまだアマルガムが存在しています。
推測ですが、かつてアマルガム充填がなされていた歯を再治療した際にアマルガムの表面だけを削って
金属(銀合金)インレーをセットしたものと考えられます。
アマルガムと銀合金インレーは組成が異なりますので内部のアマルガムの腐食が進んだ結果
このように内部でとても黒くなっています。
アマルガム充填を顕微鏡下で慎重に除去しました。
アマルガムは切削すると水銀蒸気が出ますのでラバーダムを装着し、十分にバキュームすることが重要です。
また治療ユニットから汚染された排水を垂れ流さないため、アマルガムや金属切削片を堰き止めるトラップが必要です。
弊オフィスのドイツ製治療ユニットにはトラップが備わっています。
歯科専門誌において金属をラバーダム無しに削っている写真が堂々と出ていますが嘆かわしいことです。
う蝕検知液で軟化象牙質(むし歯)を染色します。
染まるところの切削と染色を繰り返し、ボンディング処理とコンポジットレジンでデンティンシール(象牙質保護)を終えました。
茶色に見える部分は歯牙の裂溝底部ですのでう蝕検知液で染色しても染まらない部分です。
パウダリングしてセレックでスキャンします。
セレックで迅速にデザインし、ミリング(削り出し)します。
適合を確認します。
現在のセレックは適合においても十分な精度が得られます。
またセラミック接着修復はレジン充填のメガフィラーであることから
精度を問題にすること自体がナンセンスです。
金属の精度が仮に良いとしても(良くはないですが)、アレルギーになったりう蝕原性を考えるとマイナス面の方が大きいです。
セラミック修復物を研磨後、改めてラバーダムを装着して水蒸気を遮断し
たっぷりのレジンセメントで接着します。
レジンセメントで窩洞を満たしその内部にセラミック修復物を沈めるようにします。
内側性窩洞の場合、修復物にセメントを乗せてセットしたとすれば内部に気泡が残る可能性が高まると考えます。
セメンティングこそ最も重要なポイントですのでセメントを節約するという概念はありません。
自分が治療を受けるのであれば追い銭してでもたっぷり使って欲しいからです。
そういった面でも自由診療でない診療システムには限界があると感じます。
咬合調整と仕上げ研磨を終えました。
今後、手前の第一大臼歯の金属除去も行います。
治療時の顕微鏡動画を見ていただきましたら
「とても手間がかかるのですね」とY・Mさん。
そうなのです、治療の本質は手間にあり、セラミック自体の価値ではありません。
刺青師さんのインク代が高いのではないのと同じであり
そのことを歯科医療に携わるものがきちんとお伝えする必要があると考えます。
刺青と同じで不可逆的な処置なのですから。
もしよろしければ
ブログランキングに投票のため、このリンクのクリックお願いいたします。
メタルフリー治療を実践する広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)