顕微鏡根管治療広島
2015.9.9
根尖病変のある歯の治療 ガッタパーチャの除去動画 2015.09.09
左上臼歯部のCTによる近遠心的断面です。
画像中央右側の左上第二大臼歯の歯根周囲に病変が形成されています。
残念ながら原因としては過去の根管治療の不備が考えられます。
歯根の先端(根尖)を取り囲むように病変が形成されています。
ここまで大きく慢性的な病変ですと、完治する可能性が低くなりますので、全身への影響を考えますと
抜歯も選択肢に入っていきます。
しかし、治る可能性も残されていますので、治らなかった場合の適切な時期での判断をすることを前提に
再根管治療を行うことといたしました。
こういった歯の治療の場合、患者さんとの相互の理解が必要です。
”治療したからダメになった”といわれるのであれば、歯科治療の選択肢は抜歯以外ありません。
機械の修理とは根本的に異なります。
ラバーダムを装着して切削片をガードし、5倍速コントラで切れ目を入れました。
中央部にスクリューポストが見えています。
保持孔が形成されていますが、周囲から漏洩しています。
スクリューポスト周囲のレジンを切削していきます。顕微鏡ミラー像です。
グリップできるようになりました。
スクリューポストを回転させて除去しました。
除去したスクリューポストです。ゴールド色ですがゴールドではありません。
歯の内部に金属が存在してはメタルフリーとはいえません。
スクリューポストを除去しましたら、その内部から排膿してきます。
通常根管内部はガッタパーチャで満たされているわけですのでありえない状況です。
きちんとした接着がなされていなかったため、レジンと歯の隙間から漏洩してむし歯になっています。
オレンジ色に見えるのは根管充填材であるガッタパーチャ(天然ゴムの一種)です。
3根管ありますが、画像右上の近心頬側根管以外の根管はガッタパーチャが汚染されて黒くなっています。
スクリューポストが挿入されていた口蓋根=排膿していた根管のガッタパーチャにアプローチすると
一塊で取れました。
あくまでも推測ですが、排膿が止まっていなかった状態で根管充填がなされたのかもしれません。
つまり、膿をシーラーとして根管充填したような状態となって、根管内部が密閉されなかったものと思われます。
次回より、再根管治療を本格的に行います。
Y・Fさん、この歯が良くなることを私も願っています。
お互いに頑張っていきましょう!
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広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)