口腔外科処置広島
2013.9.25
歯根破折の歯の処置 (歯の割れ・ヒビの治療)
歯が折れたり割れたりした場合、折れ方・割れ方によっては
治療が可能な場合があります。
右上前歯のいわゆる差し歯が脱落しています。
過去に何度も「取れては付ける」を繰り返していたそうです。
脱離した歯からいままでの苦難の歴史が伝わってきます。
メタルコアはクサビとなって歯の破折(はせつ)の可能性を高めます。
太くテーパーの大きいものであればなおさらです。
弊オフィスではメタルコアをはじめ、すべての金属治療を廃止しています。
残存歯質はかなり薄く小さくなっています。
非常にダメージの大きい状態です。
抜歯の可能性のご説明とご了承の上、治療に挑みます。
局所麻酔後に粘膜を剥離して実際の状態を確認します。
金属治療特有の黒変と破折線が見られます。
幸いなことに破折している部分が歯の上部に留まっていることと
骨吸収の程度が深刻でないため
接着修復によるラストチャンスにかけることにします。
ファイバーポストとコンポジットレジンによる支台築造を終えました。
接着前には歯根表面を次亜塩素酸+EDTAで洗浄し、
血液・浸出液が絶対に付着しないようにしながらボンディング処理して
乾燥状態においてコンポジットレジンを充填します。
血液の混じっていないクリアな状態で充填することに集中します。
汚染されている歯根外側面は12枚刃カーバイドバーでカンナ掛けして
スムーズな表面にします。
プラスチック製仮歯をその場で作製します。
歯肉の形態を整え縫合しました。
この歯がもう一度元気を取り戻してくれることを祈っていますが
それは現在の状態では残念ながら判りません。
助かる可能性があれば、そこに賭けたいと思います。
そのためには歯の運命を託してもらうことが必要です。
なりたての若い歯科医師はなんとか助かるように頑張って治療をします。
しかし、うまくいかなかった場合、患者さんからのクレームとなり
いつしか「守りに入った」治療のみを行うようになります。
歯が助かるよりはクレーム・痛みが出ないことを重要視するからです。
自分で開業したとすれば通常であればなおさらです。
弊オフィスでは信頼関係の得られない状態では治療をしないこととしています。
そのために保険医を辞退しています。
そこに価値を見出してくださる方でないとお互いに不幸だからです。
S・Eさん、ご夫妻でとても喜んでいただき光栄です。
私もこの歯が助かることを願っています。
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※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)