その他の治療
2023.7.1
コンポジットレジン充填の取り替え方法 2023.07.01|むし歯治療手順|広島
右下第二小臼歯:遠心隣接面に存在している過去のコンポジットレジン修復が外れているようで、
デンタルフロスが引っかかてしまいます。
初診時のパノラマレントゲン写真です。
脱落していないものの、動いているのか、ギャップが生じています。
段差があれば細菌(プラーク)が溜まり、デンタルフロスを用いても引っかかって上手く清掃できません。
いかなる充填物・修復物でも同じですが、フロスがひっかかる・ささくれるようになっているものは
清掃性のために取り替えるべきと考えます。
表面麻酔を塗ったあと、注射による麻酔を行い、ラバーダムを装着し、顕微鏡を下ろし、録画してスタートです。
まずは、う蝕検知液を塗布して水洗し、色素の浸透をチェックします。
やはり、浮いています。
脱落はしていないけども、浮いて動いている状態です。
隙間から漏洩していますので内部は細菌天国です。
5倍速コントラに小さな球状のダイヤモンドポイント(ドリル)を装着して慎重に切削を開始します。
最後の最後は超音波スケーラーで振動を加え、薄いせんべいを割るようにして取り除きます。
まずは過去のコンポジットレジン修復が取れました。
う蝕検知液でむし歯を染めます。
水洗しました。
そこまで染まらないようですが、、、
このようにエナメル質と象牙質との境い目からむし歯が進行しています。
染色と切削を繰り返しました。
画像右隣:右下第一大臼歯の近心に充填してあったコンポジットレジンは研磨仕上げしています。
研磨だけでは問題のある状態でしたら埋め直します。
この状態よりも1.5倍程度の大きさの虫歯の範囲であれば、セラミック修復も候補に挙がると考えます。
充填に先立って、まずはエナメル質をリン酸エッチングします。
隔壁のフィルムを挟むことで奥の歯のエナメル質に触れさせないようにします。
新しい隔壁フィルムに取り替え、プラスチックのクサビで歯にフィットさせます。
ボンディング材で接着処理をします。
青い波長の光で反応して硬化しますので、顕微鏡のライトに黄色のフィルターを掛けて青い波長を弱めています。
エアーブローして余分なボンディング材を薄くのばして、光照射して硬化させます。
流動性のある歯の色のコンポジットレジン(プラスチックの一種)を流し込み、隔壁の形を整え、光照射して硬化させます。
何度かに分けて積層充填します。
一度に注入して固めると重合収縮して「ひけ」が出て、歯に応力が掛かったままになってしまいます。
コンポジットレジンの充填を終えました。
ここからは形態修正と咬合調整を行います。
赤いカーボン紙である咬合紙で咬んでもらい、強く当たる部分を印記します。
本日充填した部分で赤く色のつく部分を調整します。
歯ぎしり時に干渉を起こす側方ガイド、前方ガイドも順次確認・調整します。
細いバーを用いて形態を修正します。
片面にのみ研磨粒子のついた研磨用フィルムを用いて馴染ませます。
ダイヤモンドペーストと硬いブラシを回転させて仕上げをします。
患者さんおひとりずつ専用の電動歯ブラシ(ソニッケアー)のブラシを用いて咬合紙の赤い色素を落とします。
咬合紙の色はきれいに落として終了したいためです。
ハミガキペーストが行き渡った状態でフロスを通して引っかかりが無いことを確認します。
引っかかりがあれば、そこにプラークが溜まりますので必ず仕上げをします。
コンポジットレジン修復が完成した状態です。
確実性と正確性を犠牲にすれば、麻酔の時間を除いて6分程度で終わりますが、それでは弊オフィスで治療する意味がありません。
何事も万全を期そうとすれば時間と手間がかかります。
K・Sさん、予想よりも大きな範囲になっていましたが、大事に至っておらず幸運でした。
今日からはフロスもスムーズに行なっていただけます!
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス