セラミック歯科広島
2022.9.16
右上第一大臼歯の金属を除去してメタルフリー達成です。2022.09.16
右上第一大臼歯の金属インレーを除去してセラミック修復します。
金属除去ですからラバーダムを装着して金属切削片から口腔粘膜を保護します。
除去した金属インレーの内面です。
プラークの浸入を認め、汚染されています。
金属除去後にう蝕検知液を流してみました。
隣接していた右上第二小臼歯の遠心面にドリル痕と考えられる窪みがついています。
フロスがとても引っかかっていたいたとのこと、合点がいきます。
過去の人工物を全て取り除き、う蝕検知液での染色と切削を終えました。
接着処理とコンポジットレジンで第一大臼歯のデンティンシール(象牙質保護)を終えました。
第二小臼歯遠心面の窪みもコンポジットレジンで修復しました。(酸処理と接着処理を含む)
セレックプライムスキャンでスキャニングし、セラミック修復物を迅速にデザインします。
セラミックブロックから削り出します。
二ケイ酸リチウムガラスセラミックであるe.max®️CADを用います。
削り出しを終えました。
接触圧を調整し、適合を確認します。
研磨後に840℃で約20分間真空焼成します。
乾燥状態で接着し、咬合調整と仕上げ研磨を終えました。
フロスの不適切なひっかかりも解消しました。
※このサイズの治療をレジン系材料で行うことは、早い摩耗や生体親和性を考えると不適切と考えますので
弊オフィスでは行っておりません。(歯科医師個人の見解です)
※左上第一大臼歯の治療時の記事はこちらです。
「左上第一大臼歯の金属を除去してセラミック修復を行いました。2022.09.10」
至極当然のことですが、白い歯は素敵です。
金属治療のデメリットとして
・金属イオンが溶出する → 他に金属あればガルバニ電流の発生
・金属アレルギーの原因となる → マウスの実験では不妊になるともいわれている
・細菌付着性が高い → 隣接歯のむし歯リスク大
・熱膨張率が歯よりも大きい → 隙間の発生
・一日での治療が事実上困難 → 次回来院時までに歯の表面が汚染されるリスク
・審美的で無い → 白い車のドアを銀色のドアで直すようなもの
つまり、セラミック修復を行う理由は白くするためだけではありません。
生体親和性の高いセラミックを用いることが重要であり、白くなるのはおまけと言えます。
その観点から考えれば、
レジン系材料で大きな修復(レジンインレー(詰め物)・レジンクラウン(被せ物))を行うと
見た目はとりあへず白くはなりますが、
摩耗しやすいことで噛み合わせの変化が早期に出易く、
着色したり細菌が付着しやすいことで歯肉炎や隣接歯の虫歯を引き起こし易く
口腔内の過酷な湿潤環境では安定性、信頼性に不安が残ります。
お墓や石碑にレジンがほぼ使われないことからも材料の安定性が高くないことは明らかです。
自分の家族にはしない治療ですので、患者さんにもいたしません。
O・Kさん、早くもメタルフリーの達成ですね、全てはご決断の賜物です。
メインテナンスでお目にかかれる日を楽しみにしております。
広島市南区の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス