口腔外科処置広島
2019.6.15
割れている右上奥歯の抜歯と骨増生を行いました。2019.06.15
右上第一大臼歯が残念ながら割れています。
矢印部分には膿の出口であるフィステル(=瘻孔)が形成されています。
2次元のレントゲン像です。(矢印部分)
歯科用CTによる3次元画像です。
亀裂があることが判ります。
水平断面です。
歯を斜めに横断するかの如く割れています。
膿や口腔内細菌は血流を巡って心臓にも到達することが判っており、
炎症が広がることで骨欠損が大きくなれば抜歯後のインプラント治療にも影響を及ぼしますので抜歯をご決断です。
表面麻酔と浸潤麻酔を行い、まずはヘーベルで動かして抜歯を始めます。
割れているとはいえ、抜歯鉗子でグリップすることができれば抜歯が容易ですので試してみます。
幸いにもグリップ出来ましたので通法どおり動かしていきます。
「とりあへず抜歯鉗子で掴んでみる」というのは大切です。
無事に抜歯を終えました。
歯根の周囲にびっしりと炎症性の肉芽組織が付着しています。
残念ではありますが、いままでお疲れさまでしたとしか言えません。
抜歯することで全身状態のこれ以上の悪化を食い止めたと前向きにとらえる必要があります。
抜歯後の穴である抜歯窩です。
内部にはまだ炎症性の肉芽組織が残っていますので掻爬して取り除きます。
徹底的にしつこく除去します。
除去した肉芽組織です。
ここからは骨増生処置のひとつであるソケットプリザーベーションを行い、
治癒後のインプラント治療の際に骨が無くて困ることを防止します。
下準備として粘膜を封筒状にエンベロープ形成しておきます。
骨移植材に骨再生因子であるエムドゲインを混ぜて準備します。
d-PTFE膜であるサイトプラスト メンブレンを粘膜と骨の間に挿入しておき、骨移植材とエムドゲインをミックスしたものを抜歯窩に入れます。
サイトプラストをカバーするように頬側の粘膜と骨の間に滑り込ませ吸収性の縫合糸で縫合して完了です。
メンブレンは6週後に除去し、最低でも3か月後にインプラントの埋入計画を立てます。
A・Sさん、三原市からのお越しに恐縮です。
よくぞご決断なさいました!治癒後が楽しみですね。
広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス