その他の治療
2024.10.9
この習慣が歯を溶かす?2024.10.09|酸蝕(さんしょく)症と考えられる奥歯
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治 です。
今年2024年1月30日の左下奥歯頬側面の写真です。
ブラッシング時に歯がしみるとのことで受診されました。
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〇で囲んだ部分の古いコンポジットレジン修復が存在しています。
第一選択として、これを取り除き改めてコンポジットレジン修復を行うことで改善を期待します。
その他、歯がしみる原因として歯ぎしり・食いしばりも考えられますのでチェックします。
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古いコンポジットレジン修復を取り除き、う蝕検知液を用いて軟化象牙質を染色・切削しました。
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コンポジットレジン修復を終えました。
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そして本日2024年10月9日、同じ部分がしみるとのことで来院されました。
・・・1月に修復したコンポジットレジンが、レリーフの如く浮き上がって見えます。
これは、酸によって天然歯質が溶かされて起こる酸蝕症と考えられます。
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〇部分のエナメル質が無くなって象牙質が見えています。
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舌側面からの写真ですとエナメル質が溶けた厚みが良く分かります。
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今年の1月30日にコンポジットレジン修復してから、9ヵ月あまりですから溶けるスピードはなかなかのものです。
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お話をお伺いすると、この部分にタブレット形状のお菓子を習慣的に置いた状態でお仕事をなさっているとのこと。
ビタミンCや酸味料が含まれていることがあり、酸蝕症を起こす可能性があります。
その他、過去の経験上、酸蝕症を引き起こすリスクのある以下の行為には注意が必要です。
・アミノ酸サプリのタブレットを口の中でずっと溶かして舐めている。
・顆粒状のビタミンCを飲んでいる。
・黒酢を飲んでいる。
・スムージーを作って飲んでいる。
全て健康のために行っていることで、逆に歯を溶かす可能性があります。
歯科治療では、歯に接着する際に酸処理を行います。
酸処理を日々行っているのと同じになってしまいます。
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追加として
・フッ素無配合の歯みがきペーストを使っている。
というのも挙げられます。
フッ素による歯質強化(フルオロアパタイト形成)は、歯科医療現場の人間として疑う余地はありません。
歯の健康(オーラルヘルス)のためには必要なものと考えます。
私見として、自分や自分の子ども(6歳以上)にフッ素無配合の歯みがきペーストを使うことはありません。
もし仮に体にデメリットがあったとしても、天然歯がボロボロになりながら長生きするのは、私はイヤです。
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そうならないためには何に気を付ければよいでしょう。
大原則として、「酸を歯に当てない」ことです。
・黒酢やスムージーはストローで飲みましょう。
・顆粒はタブレットに変更して、歯に当てず溶かさず飲みましょう。
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と、ここまで書いてきましたが、人生において何が大切か、それを第一に考えれば、それで構いません。
食べたい飲みたいものを、食べたいように飲みたいようにするのも人生の楽しみであり自由です。
煙草もお酒も合法ですから、サプリや酸のものをどう食べても飲んでも自由です。
もちろんフッ素無配合の歯みがきペーストを使うのも自由です。
あくまでも「知っていたらやめていたのに」という方のために歯科医師の立場から書いています。
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最後に。
どんなに酸蝕症になろうとも、セラミック修復は出来ますし、
それで歯を失ったとしてもインプラント治療もありますので、歯科治療技術的にはなんとでもなります。
ただ、そうならない方が良いのでは、と私は個人的に思います。
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M・Mさん、今後の経過で対処法を考えましょう!
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス