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※厚生労働省 医療広告ガイドラインに沿うための記述

すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)

口腔外科処置広島

2023.4.29

抜歯と同時にすべき処置は?|むし歯が進行していた左下第一大臼歯の抜歯と骨増生処置 2023.04.29|広島

むし歯が進み歯根分岐部に歯肉が入り込んできている左下第一大臼歯の頬側面観の写真

左下第一大臼歯(左下6)がむし歯が産生する菌によって象牙質が脱灰して軟化象牙質となり、健全歯質が失われています。

 

むし歯によって歯が消えかけて写っている左下第一大臼歯のレントゲン写真

デンタルレントゲン(X線)写真です。

過去に神経の処置(神経を取る処置)がなされていますので痛みは出ていないものの、歯の上部から幽霊のように消えかかっているように見えます。

これは象牙質が脱灰して(カルシウム分が溶け出て)、レントゲンに写らないコラーゲンのみとなった結果、このように消えかかって見えます。

むし歯の部分がレントゲン写真では黒く写るのもの同じ原理です。

 

むし歯が進み歯根分岐部に歯肉が入り込んできている左下第一大臼歯の咬合面観の写真

咬合面観です。

見えている部分は脱灰しており、強度の無い軟化象牙質(=むし歯)になっています。

中央の分岐部は崩れて歯肉が入り込んでいます。

この状態から軟化象牙質を取り除くと、歯肉縁下および骨縁下に健全歯質が位置する事となってしまいます。

分岐部の髄床底も無くなることから、近遠心根に歯根分割した状態となります。

その状態から矯正治療を行い挺出させて歯冠修復することは技術的には可能ですが、治療期間・費用・予後を考えると現実的ではない治療方法と言わざるを得ません。

自分や自分の家族が同じ状態で、行う治療方法ではありませんので患者さんにもそのようにご説明します。

W・Yさんは抜歯をご決断なさいました。

全てをご理解の上で、抜かない治療方法をご希望なさる場合は対応します。

 

抜歯しようとヘーベルで動かすとボロボロのむし歯になった軟化象牙質がゴムの様に動くGIF動画

いよいよ本日抜歯します。

文字通り軟化象牙質となっており、ヘーベルで動かすとゴムの様に曲がって崩れます。

このままでは丸ごと一塊での抜歯は不可能ですので分割して小分けにしていきます。

 

3根性の左下第一大臼歯を歯根分割抜歯するため、近心根と遠心2根をドリルで切削して分割するGIF動画

分岐部髄床底を切削します。

かなり薄く脆弱化していましのたので容易に分割できました。

 

左下第一大臼歯を歯根分割抜歯して近心根をヘーベルで動かして抜歯する準備をするGIF動画

分割した後、近心根をヘーベルで動かして脱臼させます。

 

左下第一大臼歯を歯根分割抜歯して近心根を抜歯する瞬間のGIF動画

抜歯鉗子でグリップして近心根の抜歯を終えました。

 

3根性の左下第一大臼歯の遠心2根をドリルで歯根分割するGIF動画

オフィス内の歯科用CTによる断層撮影において、この歯の遠心根は2根に分かれていましたので、遠心根をさらに頬舌側に2分割します。

 

左下第一大臼歯を歯根分割抜歯して遠心頬側根を抜歯する瞬間のGIF動画

遠心頬側根の抜歯を終えました。

 

左下第一大臼歯を歯根分割抜歯して湾曲している遠心舌側根を抜歯する瞬間のGIF動画

湾曲している遠心舌側根の抜歯を終えました。

抜歯の際の力の加え方は、サザエから身を取り出すように、歯根の出たい方向へ動かすことが重要です。

 

左下第一大臼歯の抜歯後に分岐部槽間中隔の骨を削りデコルチケーションするGIF動画

この部分には治癒後にインプラント治療を行いますので

抜歯窩の掻爬後に、インプラント埋入位置に近似する分岐部槽間中隔の硬い骨組織をドリルで崩しておきます。

そのままにしておくと、インプラント埋入時のドリリングの際に硬い骨にドリルが蹴られて目標位置の近心位もしくは遠心位にドリルが進んでしまうからです。

骨内部からの出血を促し治癒を促進するデコルチケーション(皮質骨穿孔)の意味を兼ねています。

    

ソケットプリザーベーション骨増生処置のために抜歯後の穴にハイドロキシアパタイトを填入するGIF動画

治癒時の骨吸収(骨が痩せること)を出来るだけ防ぎ、インプラント治療を円滑に進めるため、ソケットプリザーベーション(歯槽骨の吸収防止する骨増生処置)を行います。

非吸収性の骨移植材であるハイドロキシアパタイトを填入します。

体が吸収しづらいタイプの骨移植材を置くことで骨吸収を防ぎます。

   

リフィットRFTデンタルを抜歯窩に置いた写真

その上にコラーゲン使用骨再生材料であるリフィットRFTデンタルを置きます。

早期の骨再生を促す材料です。

    

抜歯窩に置いたリフィットRFTデンタルが血液を十分に吸った写真

リフィットRFTデンタルが十分に血液を吸って馴染みました。

抜歯創の治癒には血液が重要な役割を果たしますので過度な止血は逆効果です。

   

抜歯窩にスポンゼルを置いた写真

さらにその上に吸収性コラーゲンスポンジであるスポンゼルを置いて保護します。

内容物が出ないようにするカバーのような役割です。

   

抜歯後にソケットプリザーベーションを行い吸収性縫合糸でHiddenXヒドゥンエックス縫合するGIF動画

最後に、抜糸不要なポリ乳酸製の吸収性縫合糸でHidden X(ヒドゥンエックス)縫合して3種の材料の脱落を防ぎます。

ケースによっては縫合せずCO2レーザー照射して焼灼して固めて終了することもあります。

 

3根性の左下第一大臼歯を分割抜歯したあとの歯根の写真

分割抜歯した左下第一大臼歯です。

左から:近心根・遠心舌側根・遠心頬側根 です。

 

ソケットプリザーベーションを行い吸収性の縫合糸でHiddenX縫合ヒドゥンエックス縫合したあとの咬合面観の写真

抜歯とソケットプリザーベーション終了時の状態です。

角化歯肉の幅が減少しないように、きつく締めずふわっと縫合しています。

 

ソケットプリザーベーションを行い吸収性の縫合糸でHiddenX縫合ヒドゥンエックス縫合したあとの頬側面観の写真

縫合糸があることで創傷部分を意識していただき安静を確保する目的もあります。

吸収性の縫合糸は10日から2週間ほどで緩んだり溶けたりして無くなっていきますが、その後もなかなか無くならない場合はブラブラになっている糸をご家庭の小さなハサミで切っていただいて構いません。

 

W・Yさん、よくぞご決断なさいました。

今後、この歯の悩みが無くなりますよう治療を進めて参りましょう!

 

※追記:抜歯骨増生処置後4カ月の状態です。2023.08.19

    

広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス   

※参考:材料の写真

ハイドロキシアパタイト(製品名:ボーンタイト)ラベルの写真

ハイドロキシアパタイト(製品名:ボーンタイト)

 

ハイドロキシアパタイト(製品名:ボーンタイト)アンプルの写真

ハイドロキシアパタイト(製品名:ボーンタイト)

 

ハイドロキシアパタイト(製品名:ボーンタイト)中身の写真  

ハイドロキシアパタイト(製品名:ボーンタイト)

 

リフィットデンタル(ストローマンRFTデンタル)パッケージの写真

リフィットデンタル(ストローマンRFTデンタル)

 

リフィットデンタル(ストローマンRFTデンタル)中身の写真   

リフィットデンタル(ストローマンRFTデンタル)

 

吸収性ゼラチンスポンジ(製品名:スポンゼル)の写真

吸収性ゼラチンスポンジ(製品名:スポンゼル)

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