口腔外科処置広島
2021.2.16
右上下の親知らずを抜歯しました。2021.02.16
下顎は水平倒れて埋伏しています。
オフィス内の歯科用CTによる立体画像です。
下顎の親知らずは手前の右下第二大臼歯に食い込んでおり、この部分にプラークが溜まってしまいます。
上顎の親知らずは、下顎の親知らずを抜歯した後に挺出(ていしゅつ:歯が反対側の顎に向かって移動すること)する
可能性が非常に高く、そもそも現在においても咬合していないため、同時に抜歯します。
上下同日の抜歯でなくとも、上下の親知らずの抜歯をきちんとご説明し、遂行することは
プロとしてあるべき姿勢と考えています。
残っている親知らずが挺出して、歯列を崩したり、顎関節に悪影響を与えるようになってしまうとすれば
不作為による医原病とも言え、それを治療するチャンスが出来た歯科医師が喜ぶだけです。(個人の見解です)
歯科医師は手で治療する前に、「頭」で治療するべきと考えます。(個人の見解です)
ただし、一般的な歯科医院においては痛くもなんともない親知らずの抜歯をおすすめすると
「すぐ抜こうとする金儲け主義の歯医者だ!」のごとく捉えられてしまうことがあります。
ただ単に説明不足ということもありますが、歯科医師自身が正しいと思うならばきちんと説明するべきです。
困難であっても正しいと思う治療をする、これに尽きます。
(それでも通じない場合はご縁がなかったと思うほかありません、情熱をもって説明しないことが問題です)
このように食いこんでいます。
右下の親知らずは歯冠の一部分のみが見えています。
それでは抜歯のスタートです。
上下の親知らずに局所麻酔を行い、ヘーベルにて上の親知らずを脱臼させて、あたりをつけておきます。
そこまで出来ましたら、抜歯を終わらせず下顎へ臨みます。
先に抜歯してしまうと、出血により、下顎の術野が見えにくくなってしまいます。
下顎の親知らずが見えるように歯肉フラップを開けます。
歯冠の最大豊隆部あたりに切れ目を入れて分割抜歯します。
最近は、歯冠の最大豊隆部をカットし、さらに歯冠と歯根の境界あたりをカットする3分割抜歯をしています。
2分割だと歯冠が出しにくくいと感じるためです。
また、砕かれた破折片が抜歯窩に残らないように、細かくなり過ぎないように、
できるだけ大きな塊に留めておくようにしています。
まずは歯冠部分が出てきました。
手前の第二大臼歯遠心面の形に沿うように、歯石がU字形をなして付着しています。
さらに2分割した歯根も除去して抜歯自体は完了です。
3分割して抜歯した右下親知らずです。
コラーゲンスポンジを抜歯窩内に挿入して血液の貯留を助け、抜糸不要の吸収性の縫合糸で縫合して完了です。
それでは上顎に戻ります。
抜歯鉗子でグリップして取り出します。
黒い歯石が付着しています。
上顎には吸収性のゼラチンスポンジを入れ、下顎で余った縫合糸で軽く結わえています。
縫合しなくても構わないケースです。
上下同時の抜歯ですと、抜歯後の痛みが出たり、食べにくい期間が1度に終わりますので効率的とも思います。
よって左右同時というのはあまりお勧めしていません。
※弊オフィスでは抜歯翌日の消毒なるものは不要と考えます。(個人の見解です)
確認といっても翌日ではすることがない・なんともいえないためです。(個人の見解です)
U・Kさん、よくぞご決断なさいました。
腫れるかもしれませんのでお大事に、今後の治療も楽しみです!
広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)