設備・機材
2015.4.1
接着時のボンディング材(接着剤)・ラバーダムについて 2015.04.01
本日は4月1日ですが、 接着時のラバーダムとボンディング材(接着剤)についてエイプリルフールではなく真面目に書いてみます。
ファイバーポストを用いた支台築造の際に光照射器でレジンを重合硬化させている場面です。
口腔内の水蒸気を遮断することが接着の第一段階であり、ラバーダムが重要な役割を果たします。
ラバーダムを装着せずに行ったとすれば、風呂場でシールを貼るのと同じで水蒸気の影響を受け、不適切な接着状態となります。
弊オフィスでは支台築造は100%直接法で行っています。
印象(型取り)して後日製作する場合、印象材が根管内部に残る可能性があることも懸念事項の一つです。
根管内部に印象材が残っていたケースをこちらの記事に書いています。
https://www.mdo.jpn.com/blog/2015/03/metal-core-kanten-20150318.html
また、仕上げ後の新鮮な歯面にその場で接着処理・接着できる点を重要視しています。
歯にコンポジットレジンを接着する際には、接着剤の役割をするボンディング材を塗布し、規定の時間の経過後、エアーブローして余剰分をとばし、光照射して重合させます。
その際にボンディング材の層ができるだけ薄くなるように、しつこいほどしっかりとエアーブローする必要があります。
マイクロスコープ(顕微鏡)で見るとボンディング材がなかなか薄くならないことが分かります。
上の写真のように支台築造の場合は竪穴ですので根管内部のボンディング材の液溜りに関しては非常に神経質になる必要があります。
接着後のレジンの脱離などのエラーの原因としてラバーダムを使用していないことと、ボンディング材のエアーブロー不足が関与していると考えています。
ボンディング材には操作性を高めるためか粘稠性が付与されていますが、飛ばしにくいのでやめて欲しいものです。
ボンディング材にはボトルタイプと単回使用の使い捨てのタイプがありますが、ボトルタイプの場合、使用開始時と最後の1滴は同一とは考えられませんので
弊オフィスでは使い捨てが存在する3Mのスコッチボンドユニバーサルと、GCのG-BONDプラスのユニドースを使用しています。
ボトルタイプのボンディング材の試供品はレジンの仮歯の技工作業用にのみ使っています。
こちらは3M ESPE 社のスコッチボンド ユニバーサル のユニドースタイプです。
弊オフィスでは主にこちらを使用しています。
裏側です。先端の大きなブリスターパックの中にボンディング材の液が密封されており使用時に潰して小さい方へ移します。
黄色い棒はマイクロブラシで先端に小さなブラシのついた塗布用の器具です。
マイクロブラシとセットになったこの状態で販売されています。
厳密に言えばマイクロブラシのブラシ部分の繊維が脱落し、歯面に残ることがありますので改良が必要です
このように潰して折って使います。
撮影用に使用したものは破棄し、治療には使いません。
こちらはGC社のG-ボンドプラスのユニドースタイプです。
揮発性の高いアセトンを含んでいますので袋に入って密封されています。
袋を開封するとこのようなケースにボンディング液が入っています。
ケースをひねって開けますと竹の筒のようになっておりボンディング材が入っています。
マイクロブラシで塗布します。
これも撮影後は破棄します。実際の治療に使いまわすことはありません。
ボンディング材はメーカーによって成分が異なり、体質によって合う合わないがありますので2種類を使い分けています。
もしよろしければ
広島市の歯科 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)