顕微鏡根管治療広島
2023.9.2
4根管性の左下奥歯とは? 2023.09.02|根管治療を失敗しやすい?
4根管性の左下第一大臼歯の再根管治療を行い、本日、垂直加圧根管充填を終えました。
過去の根管治療では歯根の先端までの治療がなされておらず、先端に病変が形成されています。
メタルクラウン・メタルコア除去時の記事はこちらです。
「金属のかぶせもの・メタルコアを除去しました。2023.08.17|内部の汚染」
画像右端の左上下親知らずの抜歯時の記事はこちらです。
「左上下の親知らずを1回の治療で抜歯しました。2023.07.23|水平半埋伏智歯|手順」
前回までに4根管それぞれの根尖までの攻略を終えており、
本日、仮封を除去しても排膿なく落ち着いていることから垂直加圧根管充填を行います。
下顎第一大臼歯は一般的に3根管であり、
近心根:単根2根管(外見は1本の歯根の内部に2本の根管がある)
遠心根:単根1根管(外見は1本の歯根の内部に1本の根管がある)
であることが多いですが、遠心根が頬側・舌側に分かれて2本ある(複根)4根管性の第一大臼歯も存在します。
この場合、遠心舌側根はイレギュラーであるため見落とされ易く、また歯根のカーブが急であることが多いため、
全く手つかずであるか、見つかっていても治療が不十分であるという状態になりやすい傾向があります。
電気的根管長測定を行い、根尖(歯根の先端)までの到達を確認し、根尖孔のサイズを決定します。
この写真は#25(赤)、つまり直径0.25㎜のアピカルシートを根尖に形成したことを示しています。
アピカルシートとは、アピカル(根尖の)シート(根管充填材を受けとめる受け皿形状)を指します。
グリーンのシートはラバーダムです。
2種類の薬液洗浄します。(GIF動画切り抜きにつき動きが不自然になっています)
超音波スケーラーで薬液をリンスします。
滅菌ペーパーポイントを4根管それぞれに挿入して吸水乾燥します。
滅菌ペーパーポイントで吸水乾燥しました。
シーラーを少量根管口に置いたあと、サーマフィルのシステムで垂直加圧根管充填します。
4根管性につき4本で充填しています。
サーマカットでサーマフィルの余分なキャリアをカットします。
垂直加圧根管充填後のデンタルレントゲン写真です。
近心頬側根管・近心舌側根管は重なって写っています。
遠心の2根管が良くわかります。
K・Hさん、山口県防府市からのお越しに恐縮です。
少し痛みが出るかもしれませんのでお大事に。
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス