セラミック歯科広島
2024.7.17
金属インレーの除去から完成までの治療の流れ 2024.07.17|なぜ2回に分けるとダメなのか?
右下第一大臼歯の金属インレーを除去してセラミック修復を行います。
この歯のように複雑な形の金属インレーをセラミック修復するのは難易度が高いといえます。
理由として、セラミックブロックから削り出す際に、曲率の強いカーブの部分でチップ(欠け)が起きやすいためです。
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表面麻酔後に注射で麻酔をして、ラバーダムを装着し、顕微鏡(マイクロスコープ)を降ろし、ビデオ録画を開始してスタートです。
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金属インレーの除去を終えました。
現代の基準ではむし歯が残っている状態と言えます。
近心頬側部分にはコンポジットレジンで修復してある部分がありますので取り除いてセラミック修復に含めます。
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う蝕検知液を用いて軟化象牙質を染色し、切削と染色を繰り返しました。
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セレックプライムスキャンでスキャニングし、セラミック修復物を迅速にデザインします。
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セラミックブロックから削り出します。(e.max:二ケイ酸リチウムガラスセラミック:酸化物セラミック)
焼成する前は紫色ですが、焼成することで結晶構造が揃い、天然歯の約2.5倍に強度が増すガラスセラミックです。
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複雑な形状ですので、無事に削り終わるか少々心配です。
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無事に削り出しを終えました。
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削り出しの最後の部分であるノブを削り落とし、口腔内で試適します。
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研磨後に840℃で約20分間、真空焼成します。
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セラミック修復物の内面はフッ酸処理を行い、歯にも3段階の接着処理を行って、乾燥状態でレジンセメントで接着します。
写真は光照射してレジンセメントを硬化させている場面です。
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本日1回の治療でこの歯の治療は完成です。
この歯のような生活歯・単独歯・奥歯のセラミック修復は即日完成でないと意味がありません。
なぜ2回に分けるとダメなのか。
理由は、
「次回セット」ですと被接着面は唾液と食事によって必ず汚染され(接着力の著しい低下)、
噛むことで残存歯質の欠けが生じる可能性があるからです。
(仮に保護をしていても、それはつるんと取れる材料での保護ですので、漏洩しています。)
即日完成でないと意味が無いので、私がつきっきりで最初の麻酔から完成まで治療しています。
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W・Dさん、まずは1本目が無事に終わって私も嬉しいです。
奥様の治療のご予約ありがとうございます。
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス