歯周病再生治療広島
2023.3.25
下顎前歯の歯ぐき下がりに対する治療 2023.03.25|広島|なぜ歯肉退縮が起こる?|歯茎の後退
左下中切歯の歯ぐき下がり(歯肉退縮)を主訴にお越しになりました。(矢印)
歯石の上にプラーク(細菌塊)が付着しており、歯肉炎から歯周炎へと進みつつあります。
炎症を起こすことで歯槽骨が吸収され、歯槽骨に支えられている歯肉も退縮してしまいます。
中央部には下唇へとつながる筋(下唇小帯)があり、歯に近い位置に付着していると歯周ポケットを引っ張って拡げてしまう可能性があります。
下唇小帯は位置によっては歯周病の増悪因子となってしまいます。
また、歯肉の厚みが薄いこともリスク因子のひとつです。
探針で汚れの表面を撫でると、歯石とプラークがこびりついていることが判ります。
歯肉退縮の改善のためには、付着している歯石・プラークといった汚れをまず落とすことが大切です。
このように付着しているとブラッシングだけでは落とせません。
歯茎が下がってきたから怖くて磨かなくなると、汚れが付着しさらに悪化します。
うがい薬や塗り薬をどんなに用いても、それだけでは十分な効果は期待できません。
まずは超音波スケーラーでスケーリングします。
歯石を超音波振動で落とします。
続いてハンドキュレットでルートプレーニングします。
歯根表面の汚染されたセメント質・象牙質表面をこさいで平滑に仕上げます。
ルートプレーニングを終えました。
この状態よりも歯肉退縮が進んでいれば歯周組織再生ジェルであるエムドゲイン® を用いた再生療法を行うこともありますが
このケースでは軽度のため、歯根表面のルートプレーニングだけを行うことで
歯肉のクリーピング現象による再生を期待します。
歯肉のクリーピング現象とは、歯肉の内部に正常な骨組織の裏打ちがある場合に表層の歯肉が外科的侵襲を受けても
元のあるべき形に回復して戻ろうとする現象のことを指します。
重度の場合は歯周外科的な治療方法として歯肉移植を行うこともあります。
K・Cさん、歯肉が回復することを祈っています。
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス