口腔外科処置広島
2024.12.11
くいしばり・歯ぎしりで割れたと考えられる左上第二大臼歯の抜歯・骨増生 2024.12.11
広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス 代表 三好龍治 です。
左上第二大臼歯(矢印)が頬舌的に割れて(歯牙破折)初診来院されました。(2024.12.05)
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染色液を流すと破折線が良く判ります。
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この破折線の場合、デンタルX線写真では良く判りません。
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オフィス内の歯科用CTで断層撮影すると良く判ります。
赤矢印の左上第二大臼歯には歯軸方向に割れ目が確認できます。
白矢印部分は、この歯が原因と考えられる炎症によって上顎洞粘膜が肥厚しています。
反対側の上顎洞は正常像であり、空気の部分が黒く写っています。
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歯の部分のアップです。
下の歯の咬頭(歯の出っ張り部分)が上の歯(矢印)の小窩(しょうか:くぼみ)に食い込むようになっています。
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本日(2024.12.11)の状態です。
割れ目が拡がっています。
抜歯せざるを得ない状態ですので、抜歯をご決断です。
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割れて弱っている歯ですので抜歯は容易に終わりました。
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抜歯した左上第二大臼歯です。
現実問題として、これを接合して生体内にまた戻すことが合理的とは思えません(私見です)
歯科医師である立場から離れても、本能的な忌避感を感じます。
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将来的なインプラント治療の選択肢を残しておくため、抜歯後の骨増生処置(GBR)を行います。
まずは、炎症性の肉芽組織を取り除きました。
幸いなことに上顎洞とは交通(上顎洞に穴が貫通してしまっていること)していませんでした。
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骨移植材を準備します。
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抜歯後の穴(抜歯窩:ばっしか)に骨移植材を填入しました。
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コラーゲンスポンジを上部に置いて掛け布団のように保護し、抜糸不要な吸収性縫合糸で縫合しました。
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ガーゼによる圧迫止血を終えた状態です。
このまま3〜6ヶ月間、治癒を待ちます。
縫合糸は溶け、その他の材料は生体に置き換わっていきます。
骨移植材を填入しておくことで、抜歯後の骨の痩せ(廃用性萎縮)を防ぎます。
骨が痩せてしまったらインプラント治療が困難になり、その段階から改めて骨を造る必要性が出てくる場合もあります。
その場合、外科処置と治癒期間が二度手間になってしまいます。
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E・Cさん、よくぞご決断なさいました。
この部分に関してはこれで治癒を待ちましょう!
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広島市の自由診療専門の歯科 三好デンタルオフィス