三好デンタルオフィス

とても長いメタルコア（金属支柱）をリトルジャイアントで除去しました。2015.03.24

 

画像左側の右上中切歯に極度に長いメタルコアがセットされています。

歯根長の7/8程度を占める長さです。

削り取るのはどうしても避けたい長さです。

画像右側の左上中切歯のメタルコアの除去時の記事はこちらです。

https://www.mdo.jpn.com/blog/2015/03/metal-core-remove0317.html

 

歯根に挿入されている長さを考えると上部は短い歯冠長です。

 

幸いなことに歯質の厚みが残っていますので牽引して除去することを目指します。

  

幸運なことにリトルジャイアント（合釘除去器）で牽引して除去できました。

治療のために私の運を使い果たしたとしてもそれは本望です。

このリトルジャイアントは経験とコツさえつかめばとても役立つ器具です。

弊オフィスではタイプの異なる3種類を準備しています。  

グリップしている部分が歯冠部分に露出していた部分ですので、いかに歯根挿入部分が長いかが分かります。

歯が折れようと割れようと、取れないことがすべてというわが国の歯科医療の現状を表しているように思います。

残念なことに、取れないことはわが国の患者さんの最大のニーズであり、それに対応することは市場原理であるとも言えます。

しかし、歯の価値は金属支柱や人工物とは比べ物になりませんので、私は歯が助かるような治療設計をすべきと考えています。

歯が助かれば、再治療が可能ですが歯が折れればそこで終わりです。

そこからブリッジ・入れ歯・インプラントと治療費用がかかっていくのが現実です。

セットするのは数分だったと思われますが除去するのには1時間以上かかっています。

除去するのにリスクが伴いますのでそのままにしておく選択肢もありますが、諦めないところに道が開けます。

 

除去したメタルコアです。挿入部分だけで実に10mm程度あります。

黒く変色している部分を見ると、そのまま歯の内部に残しておくことが正しい選択とは私には思えません。

 

除去したあとの歯の状態です。

この後、再根管治療、根管充填まで一日で終えました。

M・Mさんもとても頑張られました。

リトルジャイアントをかける部分を何度も工夫しながら少しずつ撤去しましたので本当に大変だったと思います。

私の歯科医師人生においてもトップ3に入る長さ、困難さのメタルコアが無事に除去できて安堵しました。

 

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※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述

すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円（かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの）・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円（税抜）

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